変動費と固定費の比率は、会社の損益構造、業種・業態によって相当な違いがあるとは思いますが、ぼくの大ざっぱなイメージを申し上げると図表2のようになります。

売上をいくら上げれば目標利益に届くのか?

損益分岐点を求めるには?

 さて、ここで費用を変動費と固定費に分けたとすると、どうすれば営業利益がゼロになる点、損と益が一致(分岐)する売上高を出すことができるでしょうか?

 算式を展開して損益分岐点の売上高を求めると、図表3のようになります。数学ではなく算数の計算なので、いやがらずにチャレンジしてみてください。

売上をいくら上げれば目標利益に届くのか?

 なお、経営計画などで目標利益を決めている場合は、この算式にちょっと工夫するだけで、それに届くための売上高を計算することができます。分子の固定費(F)に目標利益(R)を加えればよいのです。

 算式は次のようになります。
 S=(F+R)÷(1-V÷S)

 たとえば、あるメーカーの固定費が1億5000万円、目標営業利益が3500万円で変動費率35%だったとして、この式に当てはめると「損益分岐点の売上高=(1億5000万円+3500万円)÷(1-0.35)」となり、損益分岐点は約2億8500万円となります。