ツイッターの活用だけでなく、そのユニークかつ先進的な経営が、ハーバード・ビジネス・スクールほか各所で注目されている米国企業ザッポス・ドット・コム。日本では知られざる先進企業だが、「ソーシャルウェブ革命の衝撃」第1~3回でも紹介したように、革新的な経営で急成長中の米国のオンライン小売である(靴を中心にアパレル、アクセサリーなどを扱う)。昨年、アマゾン・ドット・コムによる約1千億円の評価額での買収が世間を驚かせたところだ。

 ツイッターの活用では世界一先進的と言っても過言ではないザッポスは、具体的に何をしているのか、またその実践を可能にしているものは何なのか。

全社員の3分の1以上がアカウントを持つ!
新入社員にはツイッターのトレーニングも

 170万近いフォロワーを持つザッポスCEOトニー・シェーのアカウント@zapposだけでも先進的だ。こう書くと、ワンマン経営者の会社なのかと思う方もいるかもしれない。しかし、ザッポスはなんと500近くのツイッター・アカウントでコミュニケーションをとっている。これは社員約1400人の3分の1以上にあたる。第4回で取り上げた食品小売チェーンのホール・フーズ・マーケットは200以上の店舗にツイッター・アカウントを持たせているが、ザッポスは個人名でのアカウントがほとんどだ。なお、ザッポス全体での合計フォロワー数は、ホール・フーズよりも多い。

 ザッポスは社内と社外との両方のつながりを狙って、社員のツイッター利用を奨励している。ザッポス社内では、新入社員は全員ツイッターのトレーニングを受け、その後も希望者にトレーニングを提供している。