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吉田恒のデータが語る為替の法則

日本発・債券バブル破裂が始まった!
いったん米長期金利は3%、ドルは88円へ

吉田 恒
【第96回】 2010年9月8日
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 米ドルの下落につれて下がってきた米国の長期金利が、9月3日(金)の米国雇用統計の結果発表を前後して、急反発しました。

 いよいよ、いったん「円安・米ドル高」へと戻す動きが始まったのではないでしょうか?

 具体的には、米国の長期金利は3%に、米ドル/円は88円に戻すシナリオを想定しています。

空前の米金利「下がり過ぎ」が修正され始めたか?

 9月3日(金)の米国雇用統計の結果発表後に米国の長期金利(10年物国債の金利)が急騰すると、米ドル/円はつれて85円台へと反発しました。

 ただ、米ドルの上値は予想以上に重いです。いわゆる投機ではなく、日本の輸出企業をはじめとした実需の米ドル売りがかなり遅れているために、米ドルの上値が重くなっているようです。

 このような「米ドル売り・円買い」を吸収し、いったん「米ドル高・円安」へと戻すことができるかどうかは、米国の金利がカギを握っていると見ています。そして、最終的にはそれができると私は思っています。

 そのように見る理由は、空前の米国の金利「下がり過ぎ」、いわゆる「米国債バブル」の破裂が始まりつつあると思っているためです(「日銀が円高に対し無力な真の理由とは?カギは『米国債バブル』の破裂にあり!」を参照)。

 米国の10年債利回りは一時2.5%割れまで低下しましたが、それに伴って、90日移動平均線からのカイ離率はマイナス20%以上に拡大しました。

 これは過去30年間に3~4回しかなかったことで、その意味では、米国の金利は空前の「下がり過ぎ」になっていたと言えるでしょう。

米国・長期金利と90日移動平均乖離率

 ところで、相場は行き過ぎるものであり、その一方で、行き過ぎは必ず修正されるものでもあります。

 下落方向へ行き過ぎた動きの修正は「振り子の原理」が働くことで、最低でも90日移動平均線を回復するまで戻るのが経験則の教えるところです。

 米国の10年債利回りの90日移動平均線は、9月6日(月)現在で3%ですから、今回の空前の金利下がり過ぎが修正されれば、最低でも米国の10年債利回りが3%を回復するといった見通しになるわけです。

日本発の「債券バブル」破裂が始まった可能性

 米国の10年債利回りと対円での米ドル相場は、ほぼ沿う形で下落してきました。

 一緒に下がってきた米国の10年債利回りが、前述したように「下がり過ぎ」修正で3%まで戻るとして、それと米ドルの相関関係が変わらなければ、米ドルも88円程度まで戻るといった見通しになります。

 さて、米国の金利はそんなに上がらないでしょうか?

 金利が上がったとしても、これまでは一緒に動いてきた米ドルが、今度はそれについて行けないということがあるのでしょうか?

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吉田 恒 

立教大学文学部卒業後、自由経済社(現・T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。同社代表取締役社長、T&Cホールディングス取締役歴任。緻密なデータ分析に基づき、2007年8月のサブプライムショックによる急激な円高など、何度も大相場を的中させている。2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケット エディターズ」の日本代表に就任。


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