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アップルがついにSNSへ進出!
新生アップルTVとあわせて描く
家庭のリビングルーム支配の構図

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第111回】 2010年9月8日
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 アップルがSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)へ進出した。

 先週、サンフランシスコのアップル・イベントで明らかにされた、同社のSNS「Ping(ピング)」は、今回の発表の中でも意表をついたものだった。ピングは、アップルCEOの言葉を借りれば、「フェイスブックとツイッターにiTunesを掛け合わせたようなもの」。

 iTunesはアップルの音楽を中心としたマルチメディアコンテンツのオーガナイザー兼プレーヤー兼ストアの入り口で、ピングは音楽を核としたSNSとなる。これを通じて、まだ知らない曲のディスカバリー(発見)に役立てようとアップルは売り込んでいるのだ。

 ピングは、他人が買った楽曲やコメントを見ることができるサイトで、フェイスブックのようにクローズにもでき、ツイッターのようにオープンにもできる。仲間内で、どんな曲をダウンロードしたといったようなアップデートがわかるようにできる一方で、誰にフォローされたり、誰をフォローしたりも自由という設定もできる。

 直接には相手を知らないが、音楽の趣味に一家言ある人の購買歴などをフォローするのは面白いだろう。ミュージシャンもここにコンサートやアルバムの新情報を掲載して、プロモーションに役立てることもできるし、ファンはミュージシャンのお気に入りの音楽や、日々のつぶやきを知ることもできるという、うれしいサイトだ。

 だが、アップルにとって、音楽のSNSは遅すぎた進出とも言える。iTunesストアの出現は音楽業界を不意打ちしたが、2003年の開始から7年がたった現在、すでにデジタル音楽売り上げの80%を担う大店舗に拡大した。アップルの発表によると、iTunesのユーザー数は1億6000万人。すでに音楽好きが大勢たむろしているのだ。もっと以前にSNSは可能だったはずだ。だが、その潜在力のおかげだろう。ピングの発表後たった48時間で、登録者が何と100万人を超えたという。

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瀧口範子 [ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。


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