このコラムの第13回に、「成田空港の中国語表示を中国人にチェックしてもらったらどうか」と題した内容を載せ、成田空港にある“中国語になっていない”中国語案内の改善を求めた。

 翌週の同コラムでは、日本の読者の声や改善をめぐる成田空港の積極的な行動を取り上げた。この問題は解決済みだと私は認識し、それ以上この問題に触れることはもうないだろうと思った。

 しかし意外なことに、この2回のコラムの内容が、日本国内で発行されている中国語新聞の「日本新華僑報」の記者の目にとまった。同記者はコラムの内容を元に、「成田空港が中国人観光客を疎かにし、在日中国人作家が痛烈に批判する」というセンセーショナルなタイトルを付けた中国語記事を8月20日付で同新聞のサイトに掲載した。記事の内容を裏付けるためだろうか、ダイヤモンド・オンラインにある第13回のコラムの画面も添えていた。

 インターネット時代となった今の中国では、著作権意識がまだ薄いこともあって、サイトにアップされた記事などは特別な断りでも入れておかないと、ほとんどの場合が無断使用可と理解され、どんどん転載されていく。今回もこのようなケースとなり、私がこの問題は解決済みと判断した後でも、中国国内のいろいろな電子メディアで大きく取り上げられた。

 グーグルなどの検索エンジンで調べてみたところ、記事を転載した主要サイト(括弧内は主催母体か所属先)はメディア系のサイトかポータルサイトが多い。

 ざっと見ると、新華網(新華社通信)、中新網(中国新聞社通信)、中国日報網(英字紙Chinadaily)、新浪網(中国最大のポータルサイト)、網易(主要ポータルサイト)、捜狐(主要ポータルサイト)、環球網(人民日報社傘下の「環球時報」)、人民網(人民日報)、鳳凰網(香港・フェニックス衛星テレビ)、北方網(天津市のラジオ局、テレビ局、夕刊の「今晩報」、「天津日報」の共同主催電子メディア)など、中国の主要電子メディアのほとんどを網羅している。