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 女性が能力を発揮し活躍できる環境を整備することを目的とした女性活躍推進法の一般実施が始まった。ダイバーシティの浸透とともに、企業は女性の活用に積極姿勢を見せている。

林 真伸
日本能率協会(JMA)
経営人材センター
ひとづくりグループ
はやし・まさのぶ 企業の人材育成や経営支援を行う日本能率協会にて、ダイバーシティ、組織開発に関する研修の企画開発に携わる。先進企業事例をはじめ女性活躍推進の取り組みを同協会サイト「ダイバーシティ&インクルージョン」http://diversity.hrd-jma.com/で発信中。

 出産・育児休暇を取得しやすい環境を整えるなど、女性の職場復帰を支援する企業が増えている。男性上司も、復帰後の女性のポジションに配慮を見せるようになった。

 「しかし、そこに“善意の勘違い”が生じやすいのです」と日本能率協会の林真伸氏は指摘する。女性は子育てで大変だろうから、営業の最前線よりもバックオフィスに配属した方がよいのではないか?と考える管理職は少なくないという。一方で、人事部やダイバーシティ推進部署の啓発活動によって「潮流が徐々に変わってきた」とも。

 「希望を聞いて女性が望むポジションを柔軟に用意するケースが増えています」(林氏)

 働き方も多様になってきた。

 「全国職・地域職といった職群のように、業務は一緒でも働く環境を配慮することで女性の管理職登用を促進したり、時短勤務、フレックスタイム、テレワークなどの導入も進んでいます」と林氏は解説する。

 採用の現場も変わりつつある。女性活躍推進法では従業員301人以上の企業に女性活躍に関する行動計画の策定と公表を義務付け、採用者に対する女性の割合など「女性の就活」にも役立つ14項目を挙げて、1項目以上の公表を求めている。

 厚生労働省の専用サイト「女性の活躍推進企業データベース」には約5400社の状況が登録されているが、女性の採用比率は女性が多い卸売業・小売業の70%前後のところから10%程度までさまざまだ。それでも「業種差はあるものの、大手企業の場合、採用の男女比率は5対5に近づいています」と林氏は言う。採用した女性に定着してもらうために、全社で時間意識の改善や、部下の育児参加に理解のある男性管理職を奨励・育成する動きも出ている。

 女性に定着・活躍してもらうためにはキャリアパスを示すことが重要だが、この点には課題が残る。「男女共同参画白書2016年版」によれば15年役職者に占める女性の割合は係長級17.0%、課長級9.8%、部長級6.2%と上位の役職ほど女性の割合が低い。

 政府は20年までに指導的地位に占める女性の割合を30%にする「202030」という目標を掲げている。「企業は取り組みに積極的になっているものの、もう少し現実的な数字を目標に掲げているようです」と林氏は語る。

 とはいえ、全体として見れば企業の意識は明らかに変わってきた。「女性活躍は、企業が先頭に立って変えていこうとしている」(林氏)のである。


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