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美人のもと

タマ

西村ヤスロウ [広告プランナー]
【第78回】 2010年9月13日
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 視角の外で他人が自分のことを見ていたり、こっそり近づいて きたりしても何となくわかることが多い。気配を感じるからである。

 美人はこの気配のつくり方がうまい。相手に空気で存在を伝えるという感じだ。相手に迷惑をかけず、存在感を伝える。何となく伝えるのだ。

 おかげで何となく気配を感じて振り返ると、そこにいるのが美人である。

 その気配とは「静か」であることなのではないだろうか。静かに動くが存在感はあるということだ。周囲から少しずつ空気を変えていく。

 遠くからでも近づいてくるのがわかる人がいる。音だ。どちらかというと騒音。存在感はあるが、ありすぎる。存在感をつくりすぎだ。

 足音が大きいだけでなく、動作ひとつひとつに音が伴う。動く時だけではなく、電車などで座っていても、何かしら音を立てる。携帯電話がいちいち大きな音を出す。話し声も大きい。

 そもそも音を立てることを楽しんでいるのではないか。音が出るものが好きだ。携帯ストラップが音を立てる。鞄に鈴のようなものがついている。鞄の中の小さなケースにもチリンチリンと鳴るものがついている。ヘッドホンからもれる音も大きい。

 なぜ、そこまで音を立てたがるのか。たぶん存在感がないことに不安を覚えるのだろう。だから、音を立てて主張する。迷子にならないように鈴をつけられた猫のようだ。歩くたびに音が出る。いちいち音を出して、どこにいるかをアピールする。タマだ。

 猫ならいい。しかし、人は鈴がついていてもかわいくない。むしろ迷惑である。音が鳴るたびに「美人のもと」がなくなっていく。

 まず、鳴り物をやめてみる。音で存在感をつくるのを避ける。そして、自分の周りの空気を変える存在感を静かにつくる意識を持っていたい。


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西村ヤスロウ [広告プランナー]

1962年生まれ。プランナー。趣味は人間観察。著書に『Are You Yellow Monkey?』『しぐさの解読 彼女はなぜフグになるのか』などがある。


美人のもと

『経』に好評連載中の西村ヤスロウ氏によるエッセイ。「美人のもと」とは、女性なら誰しも持っているもの、「美人のもと」を磨き続けるためのコツを解き明かす。

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