ダイヤモンド社のビジネス情報サイト

韓国の大学でサイバー戦士養成、北朝鮮の攻撃に対抗

ロイター
2016年6月23日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage
韓国国防省が資金援助するサイバー防衛の履修課程は、キーボードを武器にする若い戦士を養成している。写真は姓をNohと名乗る21歳の学生。ソウルの高麗大学で16日に撮影(2016年 ロイター/Kim Hong-Ji )

[ソウル 20日 ロイター] - 韓国の名門大学である高麗大学には、講座名が数字のみで示される専攻科目があり、学生も自らの素性を外部に知られないようにしている。

 韓国国防省が資金援助するサイバー防衛の履修課程は、キーボードを武器にする若い戦士を養成している。このカリキュラムを履修した者は、学費が無料となる代わりに、軍の将校として7年間、サイバー戦争部隊に加わり、北朝鮮との戦いに関わることになる。

 朝鮮戦争(1950─53年)の休戦後も、北朝鮮と韓国は厳密には依然、戦争状態にある。核とミサイルの開発に加え、北朝鮮は過去3年間で数々の攻撃を行ったとみられる強力なサイバー軍も備えている、と韓国は主張している。

 高麗大学のサイバー防衛プログラムは2011年に設置され、その翌年に初めての学生を受け入れた。

 姓をNohと名乗る21歳の学生は長年コンピューターとサイバーセキュリティーに興味を抱き、父親の勧めでこのプログラムを履修したという。韓国男性は全員、通常最大2年間、兵役義務が課されている。「時間的な重荷というより、自分の経歴を築くプロセスの一環だ」とNohさんは語る。

 大学の科学図書館にある、コンピューターと壁掛け式の平面スクリーンに占拠された作戦司令室で、「サイバー戦士になることは国に尽くすことを意味する」とNohさんは述べた。

 米国の重要な同盟国である韓国は、世界でも有数の技術先進国の一つだ。電力グリッドから銀行システムまですべてをコントロールするネットワークは、比較的原始的なインフラしかない敵に対して脆弱だ。韓国が報復しようにも標的となるようなものがほとんどない。

 「相対的に見れば、防御すべき場所がより多い私たちの国は不利に思える。北朝鮮はインターネットを使用したり、提供することがほとんどない」とNohさんは言う。

 韓国は昨年、北朝鮮の「サイバー軍」が過去2年間で6000人に倍増したと推測しており、増大する脅威に対抗できる能力を強化しようと躍起になっている。

 米国と韓国両国が「軍同士のサイバー協力深化」を含めたサイバーセキュリティーにおける協力を強化する方針を、昨年10月に韓国の朴槿恵大統領が訪米した際に、ホワイトハウスが発表した。

 高麗大学でのコースに加え、国家警察もサイバー防衛能力を強化している。また、未来創造科学省も、善良なハッカーといわれる「ホワイトハット」を養成するため、2012年から1年間のプログラムを開始した。

次のページ>> 北朝鮮のサイバー攻撃
1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事


ロイター発 World&Business

ロイター提供、日本と世界の最新ニュースをお届けします。

「ロイター発 World&Business」

⇒バックナンバー一覧