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米国のドローン最終規制が
関係者に好評な理由

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第395回】 2016年6月24日
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飛ばすには免許が必要

 FAA(米国・連邦航空局)がドローンの商用利用の最終的な規制を発表し、おおむねドローン関係者に歓迎されているようだ。

 最終的な規制の内容は以下だ。

 商用ドローンは、重量が55ポンド(25kg)以下で、飛行できる高度は地上400フィート(122m)以内。速度は時速100マイル(時速160km)以下だ。飛行可能時間は日中と、3マイル(4.8km)先から見える衝突防止のライトが付いている場合は、日の出前30分と日没後30分も飛行が許可される。

 ドローンを飛ばすには、16歳以上で筆記試験を受けて操縦証明書を取得しなければならない。ただし操縦証明書があれば、飛行の都度の当局への申請は不要だ。筆記試験は24ヵ月ごとに受け直す。証明書の発行前にはアメリカ運輸保安庁(TSA)が「バックグラウンドチェック」を行って、危険人物をスクリーニングするようだ。

 それ以外にも、いくつかのポイントがある。

操縦者の見える範囲で飛ばす

 暫時的な規制にもあったように、ドローンは常に「目視範囲内」になければならず、またドローン操作と無関係な人々の頭上を飛ばすことはできない。そして飛行場からは5マイル(8km)離れていること。

 この最終規制は比較的緩いもので、飛行範囲を定めてはいるものの、用途を特に制限してはいない。また、免許の取り方も簡単だ。さらに、この規制を超えた利用については、その都度申請をして適用外利用の承認を受けることもできる。FAAは、「この規制は第一歩」としており、今後も利用を広げる方向へ規制を追加していくとしている。つまり、商用ドローン業界にとっては朗報だ。

 規制がはっきりと明確になったことで、ドローン業界はようやく本格的にビジネスに乗り出すことができる。同業界は、この最終的なドローンの規制によって、820億ドルの経済活動と10万人の新たな雇用が生み出されると予想している。農場や建物の点検や監視、報道、映画製作、救援活動など、幅広い目的に使うことができ、新たなビジネスを思いつく起業家も出てくることだろう。

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瀧口範子 [ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。


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