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北朝鮮ミサイル開発にみる金正恩氏の「鉄の決意」

ロイター
2016年6月26日
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小型化された核弾頭とされるが、ミラーボールのようにも見える銀色の球体を、笑顔で視察する北朝鮮の最高指導者、金正恩氏の写真が3月に国営朝鮮中央通信(KCNA)によって公開された。撮影場所は不明(2016年 ロイター/KCNA

[ソウル 22日 ロイター] - 小型化された核弾頭とされるが、ミラーボールのようにも見える銀色の球体を、笑顔で視察する北朝鮮の最高指導者、金正恩氏の写真が3月に公開された。それは勘違いした、無謀な人物という同氏の国際的なイメージに磨きをかけた。

 米映画界などから物まねされる正恩氏だが、22日には、高度1000キロに達し、日本の本州手前で海に落下した弾道ミサイルの「発射成功」で、他国の懐疑派が間違っていることを証明してみせた。

 22日の1発目を含め、北朝鮮は5回連続で発射テストに失敗してきた。しかし、直近の発射で同国のミサイル開発計画は前進をみせ、正恩氏の断固たる意思とこれにかかわった科学者に対する辛抱強さを如実に浮き彫りにするものとなった。

 4月に始まった一連の中距離弾道ミサイル「ムスダン」の試射は、大国が数十年前にミサイル開発の初期段階で使っていた手法と似ている。当時は実際テストに代わる、高度なシミュレーション装置がなかった。

 米ハーバード・スミソニアン天体物理学センターのジョナサン・マクドウェル博士は「北朝鮮の試射ペースは、冷戦時代の米国のそれとそれほど違わない」と指摘。「もちろん、米国が現在行っていることとは全く違う」と付け加えた。

 「これは北朝鮮がコンピューター分析能力で劣っている事実を示しているのかもしれない。そのため、同国にとっては、コンピューターでシミュレーション分析するより、新たなミサイル実験の方が簡単なのだ」

 閉鎖的な北朝鮮の国営プロパガンダメディアは、正恩氏が要求が高いが、寛容で、科学者の失敗を快く許せる理解力のある指導者として伝えている。

 これは、無慈悲で直情的だとの、海外における同氏の評判とは対照的だ。正恩氏はこれまで自らの叔父を処刑し、軍トップを5度も更迭し、さらに2回に及ぶ核実験を強行して世界に歯向かってきた。

 「人間は食べ物を食べることで成長し、科学者は失敗の中から花を開かせる」。北朝鮮国営の労働新聞は、2012年4月のミサイル発射に失敗し、自らの前にひざまずいた科学者たちに対し、正恩氏がこう語りかけたと報じている。

 記事は同年12月の発射成功後に書かれている。

 こうしたコメントは、発射失敗に動揺する科学者たちを辛抱強く励ます金氏を報じた国の出版物と同調するものだ。

 「失敗報告を受け取るとすぐに、金正恩氏は失敗はよくあることだと述べた」。若きリーダーの年間活動をまとめた2012年の本には、その年の長距離ミサイルの発射失敗についてそう記述している。

 「重要なことは、できるだけ早く失敗の原因を突き止め、発射を成功させることだ」と正恩氏が発言したと書かれている。

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