サービス自体、
女性が働きやすい環境をつくる

 同社の製品は、ウォッシュルームの日常管理の方法を大きく変えただけでなく、環境負荷の軽減化に大きく貢献していることに特徴がある。その代表的なものが、サニタリーボックスの「サニッコ」レンタルサービスだ。「サニッコ」は、自動でふたが開閉するタッチレスによる汚染予防と、高い抗菌・衛生管理技術で二次感染を防止する機能を持ち、専門のサービスレディによる定期サービスに加えて、廃棄物をゼロにする資源循環型サービスを実現しているのだ。

「サニッコ」はサニタリーボックスのレンタルサービス。ふたが自動開閉するので、汚染予防と高い抗菌・衛生管理技術で二次感染を防止する機能を持つ

 具体的には、回収した廃棄物は「廃プラスチック」として安全に処理され、サーマルリサイクル(発電型)によって電力削減に貢献。また廃棄物固形燃料化へのRPFリサイクルによって、代替エネルギーとして再資源化され、こちらでもCO2排出量を削減する。

 このサニタリーボックスのレンタルサービスというのは、定期的にボックスごと新しい容器と交換し、殺菌剤を入れてボックス内で菌が繁殖しないようにするサービスだ。レントキル・イニシャル社より日本カルミックに92年に紹介された。英国ではサニタリー廃棄物は適切に廃棄されなければならず、女子のトイレブースにはサニタリービン(ボックス)を設置し、トイレに流してはいけないという法律がある。しかし、日本ではそのような法律がないことや、廃棄物の処理方法、殺菌剤、文化の問題があり、英国仕様をそのまま日本に応用できなかったので、さまざまな試行錯誤をしながら日本カルミック独自の方法を生み出し新しい女性トイレの文化を創り出した。

 「サニッコサービスを始めるに当たって、まず女性のセールスとサービスの専任チームをつくり新しい女性トイレ文化の創造を促進しました。それまで日本カルミックは男性セールスマン中心の会社でした。しかし、社内に女性だけのチームをつくり、お客さまの男性担当者に女性が働きやすい環境づくりを訴えました。また特に中・高、短大、大学に積極的にサニッコを紹介したのです。それは将来彼女たちが社会で働きだしたときに、多くの男性社員の中で、女性たちが働く環境を自分たちでつくっていくことができるように、という願いも込めました」と髙居社長は話す。