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総務パーソンのための「戦略的」仕事術 Powered by 『月刊総務』
2016年7月11日
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成田一郎 [公益社団法人 日本ファシリティマネジメント協会 常務理事兼事務局長]

FMの考え方・思想を知る、そしてLCCを知る

「ファシリティ」はマネジメント対象である

 ファシリティマネジメント(FM)は、手法や技術も大切ですが、何よりFMの考え方、基本概念を理解することが大切です。それには、まず、「ファシリティ」がマネジメント対象であるということを理解することです。つまり、人・金・情報と同じように、ファシリティを経営する上でのマネジメント対象として考えて頂くことです。

 そうすることにより、なぜ、何のためにマネジメントするのか、どのようにマネジメントすればよいのか、どんな手法や技術があるのかなど考えます。その辺をご理解いただきたく、昨年春に、弊協会より小冊子「第四の経営基盤 ―日本企業が見過してきたファシリティマネジメントー」(本体1,500円)を発刊いたしました。是非機会がありましたらご一読下さい。

「ファシリティ」の範囲を考える

 ファシリティの範囲は、土地、建物・設備から、家具・什器、アート、サイン、そしてそれらを含む環境まで、さらに公共等の場合はインフラまで含みますが、どこまで含めるかは、ご自身が決めればよろしいと思います。マネジメントする上で、どこまでの範囲が価値があるかどうかで判断すればよいのです。土地、建物・設備までで、そのほかは必要ないという方もいるかもしれません。

 しかし、それはワークプレイスがどれだけ社員のモチベーションや知的生産性、そして企業のブランドに影響を与えているか、スペースコストがどれだけかかっているのか等を御存じないのか、気にしないのか、マネジメントしないということです。私としては実にもったいないと思いますが、それも判断です。皆様は、サインが不案内で、不愉快な思いをしたことはありませんか。人はサインひとつでもその街や企業のイメージを感じるものなのです。皆様はどこまでをファシリティの範囲と考えるのが適切であると思いますでしょうか。

ライフサイクルで考える

 一方、FMを時系列的に考えると建物等のライフサイクルを通して考えることが大切なのが分かります。しかし、FMを建物の完成後のメンテナンスやオペレーションの意味に考える方もいます。それももったいない考え方で、建物ができた後にできることはほんの一部のことです。ファシリティをマネジメントする上では、「経営戦略」を受けて「FM戦略・計画」→「プロジェクト管理」→「運営維持」→「評価」というPDCA*サイクルの流れの中で、統括マネジメントしていくことが大切なのです。

(注)*P(Plan)→D(Do)→C(check)→A(Act)

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成田一郎 [公益社団法人 日本ファシリティマネジメント協会 常務理事兼事務局長]

【経歴】
日本大学理工学部建築学科卒業。1973年大成建設株式会社入社。技術開発部門にて住宅やオフィス等の技術開発業務に携り、企画やデザインを担当。1980年代よりFM関連の手法開発に取り組む。1989年日本ファシリティマネジメント協会に出向し、資格設立・教科書編集・協会法人化等に取り組む。1997年より本社FM推進部FM計画室長、チーフFMコンサルタント等歴任。2011年6月退社。2011年7月社団法人 日本ファシリティマネジメント推進協会(現:公益社団法人 日本ファシリティマネジメント協会) 常務理事兼事務局長就任、現在に至る。

【主な活動】
FM関連団体活動としては、 (公益社団法人)日本ファシリティマネジメント協会(JFMA)では、「企画手法研究部会」および「品質手法研究部会」部会長、「調査研究委員会」委員長、「企画運営委員会」委員長等歴任、 (社団法人)ニューオフィス推進協議会(NOPA)では、ファシリティマネジメント受験講座講師等。 (公益社団法人)ロングライフビル推進協会(BELCA)旧名:(社団法人)建築・設備維持保全推進協会)では、「事業推進委員会」委員長等。その他、(社)日本建築学会で委員多数。保有資格は、一級建築士。認定ファシリティマネジャー。


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