経営×総務
総務パーソンのための「戦略的」仕事術 Powered by 『月刊総務』
2016年7月11日
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今村敦剛 [株式会社クリエイション  経営コンサルタント]

〔総務だからできる!「整理整頓」で組織を変える! 第1回〕総務からはじめる!社員が輝く「整理整頓」の魔法

「これから、総務課の発表を始めます」

整理整頓に始まる諸活動を通じて、当社では何があったのでしょうか?

 総務課長が演台の前に立ち、パワーポイントで作ったファイルを立ち上げた時、私は喉が乾くような緊張に包まれました。会議室の一番前の席で、私は総務課長の姿を見ていたからです。総務課長は声が少しうわずり、パソコンを操作する手が小刻みに震えています。緊張感が私にも伝わってくるのです。

 ここは大阪市内の、とあるアパレル製造業の会議室です。2012年12月、当社の広めの会議室に大勢の社員が集まり、「5S活動」の成果発表会が開かれました。

 5S活動とは、企業において職場環境の整備を行う活動のことで、「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「躾」の5つの活動から成り立ちます。それぞれの活動の頭文字をローマ字で表すと"S"から始まることから「5S活動」と言います。

 この会社では、2012年1月から全社的な5S活動を始めました。活動開始から1年が過ぎようとしていたこの時、どれほどの職場環境の整備ができたのかを各職場が発表するという成果発表会を行ったのです。冒頭の総務課長は、総務課における5S活動の成果を発表するために、演台に立っているのです。

 発表が進むにつれ、徐々に落ち着きを取り戻してきたのか、総務課長の態度は自然な振る舞いになりました。パワーポイントのスライドは色彩豊かで、写真が多用されており、見る側にも退屈さを感じさせません。大阪人らしく、時には冗談を織り交ぜながら、会場の雰囲気が和んでいくのもわかります。そうして約10分の発表を終えた時には、大きな拍手に包まれながら、安堵の表情を浮かべて降壇する課長の姿を見ることが出来ました。

 発表会が終わり、私は総務課長に話しかけました。

 「課長、発表よかったですよ。最初緊張していたようでしたけど、最後はスムーズでしたね」
 「そうなんですよ。実は昨晩、緊張で食事もあまり喉を通らず、あまり眠れませんでした」

 苦笑いしながら、課長は続けます。

 「でも、この発表会、やってよかったと思います。この発表資料は1か月前から、総務課のみんなで意見を出して作りましたし、発表のリハーサルも何回もやりました。この発表会に臨む中で、総務課がようやくひとつにまとまったような気がします」

 総務課が一体となって取り組んだことが功を奏したのか、当日の成果発表会で総務課は全部で17の職場のうち、最優秀賞を受賞しました。

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今村敦剛 [株式会社クリエイション  経営コンサルタント]

【経歴】
1974年生まれ。大学卒業後、大手通信事業者にて法人営業を担当。
その後、外資系企業で計8年間、営業およびマーケティング業務に携わる。
2009年に株式会社クリエイションに、経営コンサルタントとして入社。製造業およびサービス業を中心として、経営改革や営業推進、社内活性化の支援を行っている。
企業支援のかたわら大学院に通い、中小企業における、現場レベルでのリーダーシップのあり方について研究をしている。
《1997年》大手通信事業者に入社。法人営業を担当
《2002年》外資系通信事業者で営業、マーケティング、新規事業開発
《2006年》外資系第三者認証機関(製品安全試験・ISO 審査)で、新規事業開発を担当
《2009年》株式会社クリエイションでコンサルティング業務を実施

【主な著書・論文】
・認証取得のその先へ!
 (システム規格社:月刊アイソス 2009年10月号~12月号)
・ 総務が取り組んだ『世界にわが社だけの人財』育成
 (ナナ・コーポレートコミュニケーション:月刊総務 2011年10月号)


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