経営×総務

2016年4月14日夜と、16日未明に発生した熊本地震は大きな被害をもたらした。東日本大震災から5年経って発生した今回の大地震。国内で業務を行う以上、このような災害に見舞われるリスクは常に想定しておかねばならないと、あらためて姿勢を正した企業も多いだろう。それでは緊急時、総務はまず何から対応し、何をどの手順で対応していけばいいのか。専門家にうかがった。

非常時対応の大まかな流れ

先の熊本地震を教訓に、企業は日頃からどんなクライシスマネジメントに取り組めばいいのだろうか

 まずは、緊急時に何をどういった順番で行っていけばいいのか、図表1を参照しながら流れを確認しよう。大きく3段階に分かれている。

①初動対応(状況によっては緊急避難)
②緊急対策本部(BCP発動判断)
③事業継続対応(仮復旧作業)

 ①初動対応は、業種・規模にかかわらず、企業が必ずやらなければならない共通の対応。「災害の被害を最小限にとどめる対応になりますので、この初動対応の準備は、BCPとは別に防災の一環として取り組んでもいいものです」と、BCP定アドバイザーの高荷智也さんは説明する。

 ②は緊急対策本部を設置しての情報収集のフェーズ。今回の災害のリスクというものが、果たして平時の延長で復旧できるものなのか、それとも緊急事態宣言(BCP発動宣言)をして対応していくものなのかを判断する。

 「判断軸は会社によってさまざま。その軸を定めるために、BCP策定の準備作業であるBIA(事業影響度分析)などを行い、非常時に守るべき対象(中核事業、およびそれに必要な設備、人などの経営資源)を絞り込んでおく必要があります」

高荷智也(たかに・ともや)
1982年静岡県生まれ。備え・防災アドバイザー/BCP策定アドバイザー。防災情報メディア「備える.jp」(http://sonaeru.jp)のサイト運営のほか、各種メディアやセミナーを通じて「経営改善にもつながる緊急時に役立つBCP」の作成手順を解説。著書『中小企業のためのBCP策定パーフェクトガイド』(Nanaブックス)。

 判断のポイントは、たとえば、

・守るべき設備がほぼ全滅状態であれば、BCP発動
・一見被害は大きそうに見えても、業務に最低限必要な設備が無事であれば、通常業務をやりながら復旧させていく

 といった部分になる。

 ③事業継続対応は、事前に定めたBCPに基づき個別の復旧活動を行っていく段階。その内容は会社ごとに異なるが、ほとんどの企業で、特に首都圏で必要となるのは、従業員の帰宅や宿泊対応だ。あるいは、就業時間外に災害が発生した場合、誰を出社させて緊急対策本部を作るのか。交通機関が動いていなければ、どうやって出社させるのか。その対応も行う。そうして確保した人員や拠点を使って、事業継続計画を実施していく。

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 この3つが緊急時にまずはやらなければいけない対応となる。では、その詳細と、それを実施するために必要な事前準備について説明していきたい。ちなみに、この3つの対応を行うための非常時対応マニュアルを作成するのが「狭義のBCP作成」になる。

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