「社会貢献」が身近になる

ソフトバンクが<br />「地方創生インターン」を始めた理由

熊谷 もう1つ、今回のプログラムが素晴らしいのは、社会貢献に挑戦する門戸がぐっと開かれるということですよね。最近は「社会起業家」という言葉がすっかり定着しましたけど、実際に就活を前にして「自分は社会貢献のために起業しよう」と人生の舵を切れるかというと、その勇気を持つのはなかなか難しいと思うんです。

 そこで、リスクの少ないインターンシップという形で挑戦することによって、「社会問題に向き合いたい」という問題意識を具体的に持つことができる人も多くなると思うんです。その可能性が広がるのはとてもいいなと感じます。

ソフトバンク・源田 「社会貢献」の意識は、企業にとっても非常に重要なものです。というのは、企業の存在意義って、最終的には「社会に認められるかどうか」だと思うからです。もちろん、利益を出せなければ、企業を存続させることはできませんが、一方で、いくら利益が出せても、社会に必要とされる、人々に必要とされる企業でなければ、存在し続けることはできない。だから、ソフトバンクも「情報革命で人々を幸せに」という企業理念をとても大切にしています。

 でも、やはり会社が大きくなってくると、ふだんの仕事の中で「自分たちの社会的な意義」を感じるのが難しくなってきます。だから「地方創生インターン」という取り組みを通して、改めて、直接このプロジェクトに携わらない社員も「自分たちの会社ってどのような社会的意義があるんだろう」と考えるきっかけにもなると思うんです。自分の会社が社会の役に立っていて、自分もその一員だというのは、やはり嬉しいことですからね。

塩尻市・山田 今回は約1週間という短い期間ですけど、ぜひ塩尻に来ていただいて、私たちが抱えている「生の課題」に向き合っていただきたいですね。そして「塩尻で学んだんだ」ということを、今後の人生に生かしていただきたいです。

 さらに「願わくば」ではありますが、塩尻市のファンになって帰っていただければ万々歳です。ぶどうもワインもおいしいんですよ(笑)。

(後編に続く)