空室率13%台と空前の賃貸不況に陥っている中、成功投資家たちが初心者不動産投資家たちに贈るエールとアドバイスを聞き逃すな!

不動産は投資というより事業経営のつもりで!

──ここのところ不動産投資にまた人気が戻っていまして、新たに始めようという人も増えているんです。そこで先駆けて成功している皆さんから読者にアドバイスをいただきたいと思うのですが、初心者はまずどんなところに気を付けたらいいと思いますか?

吉川 何歳までにどんな物件をいくつ持って、そこから年間いくらの不動産収入を得たいのかっていう目標によって、買っていく物件も違うんですよ。そこを間違えると失敗しちゃいます。年間1000万円の家賃収入が欲しいのに300万円くらいの区分所有のマンションから始めてしまうと、いつまで経っても到達しません。

──手始めに手頃な区分所有のマンションを買って、徐々に物件を増やしていこうという人は多いと思うんですが、それだとなぜ目標に届きにくいんでしょう。

NT 確かに家賃収入は得られるんですが、一方で経費もかかるからです。建物全体の修繕積立がありますし、年数が経過すればリフォームも必要です。自分は空室率の高い物件を割安に買い内装工事を施して価値を高める投資をしているんですが、手を掛けないと借りる人もいなくなります。

ミーナ 私は不動産会社で営業をしていたので、たくさんの大家さんを見てきましたが、手持ちの物件に関してはなるべく維持管理コストを掛けたくないっていう人が多かったです。でも、きちんと手を掛けた方が、空室も出にくくなって結果的に収益は高まります。最初から、月々の家賃収入の一部をそうした費用に充てる計画にしておくのがいいと思います。

──不動産投資でいちばん頭の痛い問題が空室ですよね。借り手の付かない間は家賃収入がないのに、返済はしていかないといけませんから…。

吉川 部屋を借りる人は不動産屋さんの勧めで見て回るので、キレイでいい物件から入居者が決まっていきます。自分の物件をいつまでも下位レベルに放置しておいたら、入居者は決まりません。

ばふ 僕は退室があるたびに、スイッチやコンセントは器具ごと全部交換しています。人が触るところなので、借りる人にとっては日焼けでも黄ばんでいたら気持ち悪いと思うので。あと流し台に付いているゴム蓋も新品にします。決して高いモノじゃないし些細なことなんですが、そういった気遣いは忘れないようにしたいなと。

NT 不動産投資は「投資」というよりも「事業経営」っていう意識がないといけないと思います。家賃収入を“不労所得”って言いますけど、何もやらずにお金が入ってくるわけではありません。管理がラクで手が掛からない物件は、その分値段も高いので利回りは下がります。

吉川 大家にとって物件は商品なわけですから、汚れていたり壊れたままのものを出して、お客さんに「これ選んでください」っていうのはビジネスとしてあり得ないですよね。