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経済対策にリニア建設費や中小企業対策、財源問題は難航

ロイター
2016年7月2日
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英国の欧州連合(EU)離脱によって、日本は「ヘリコプターマネー」政策に一歩近づくとの思惑が、市場で浮上している。写真は日銀本部で3月撮影(2016年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 1日 ロイター] - 政府が今年秋に取りまとめる経済対策の中心となる主要な政策項目として、リニア新幹線の建設費や北陸、九州、北海道新幹線の延伸費用、英国民投票後の円高に対する中小企業の資金繰り対策が浮上している。同時に財源として、建設国債や財投債の発行のほか、外国為替特別会計の活用も上がっている。ただ、いずれの財源候補にも政府内に異論があり、早ければ8月中とみられる公表まで、かなりの曲折がありそうだ。

交通インフラ支援に注力

 複数の政府関係者によると、経済対策の規模は10兆円程度を前提に議論が進みそうだ。対策のうち、英国のEU(欧州連合)離脱決定に伴う影響緩和策として、中小企業の資金繰り対策が挙がっている。

 日本政策金融公庫の出資金増額や地方の信用保証協会の強化などを通じ、中小企業の貸付金利優遇策をこれまで以上に推し進める。英EU離脱決定後の円高・株安の進展具合では、この分野への資金供給の規模が膨らむ可能性もある。

 陰りが見え始めたインバウンド消費を押し上げる狙いで、リニア新幹線建設費や、北陸・北海道・九州新幹線の延伸、前倒し整備も盛り込まる予定。交通インフラの強化が、中長期的な海外旅行者の呼び込みを活性化させ、インバウンド消費によって地方経済をサポートする。

 2016年度予算では、これらの費目で754億円(全体の事業費は2050億円)が計上されたが、今回の対策ではマイナス金利を活用した財政投融資の追加計上が議論される予定。

1億関連は給付金ラッシュも

 また、1億総活躍社会プランの一部前倒し実施も盛り込まれそうだ。結婚支援給付金や子育て支援、奨学金拡充、保育士待遇改善などのうち、前倒し可能な項目をどのように絞るか議論。これらの費目は、総額で2000─3000億円程度の費用計上が見込まれれているが、そのうちどの程度を今回の対策に盛り込むのか検討を進める。

 消費増税延期の大きな要因となった消費低迷を打開するため「喚起策の検討が必要」との指摘が政府部内にあり、1000億円規模のプレミアム商品券発行の拡充や、低所得者給付金の支給なども検討される見通し。

 経済対策の規模を大型化させる場合には「公共工事をどの程度、積み上げることが可能か、その点で規模が左右される」と政府関係者の1人は述べる。

 公共工事の対象として、経済効果の高いインバウンド投資が有力との指摘が複数の政府関係者から出ており、外国大型客船用岸壁整備や受け入れターミナルの建設、熊本地震を踏まえて防災対策などが、主なメニューとして取り上げられそうだ。

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