株式レポート
7月4日 8時46分
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【新潮流2.0】第6回 政治と花火 - 新潮流

◆今日7月4日は米国の独立記念日だ。昔、アメリカで暮らしていた時、独立記念日に打ち上げられる花火を観たが、日本の花火を観慣れている目からするとアメリカの花火はずいぶんとしょぼく感じたものだった。花火の精巧な技はやはり日本が世界一だろう。それはもう芸術の域に達していると言っても過言ではない。

◆中国の祝行事で鳴らされる爆竹などがその最たるものだが、要するに外国の花火というのは、大きな音と火を出して、景気をつけたり威勢を上げたりするためのものであろう。英国のEU離脱派が打ち上げた<花火>もその類だ。「独立」を辞書で引くと、「他の束縛・支配を受けないこと。そういう状態になること」とある。BREXITもEUからの独立と見なせるが、独立記念日を祝う米国と対照的に今の英国には花火を打ち上げるような祝祭的なムードはまったくない。国民投票前のキャンペーンで離脱派が語っていた「バラ色の未来」が急速に色あせている。旗振り役の政治家が次々と、「公約」を反故にしているからだ。

◆例えば、EUを離脱すれば英国がEUに拠出している負担金が浮くため、財政難の国民保健サービスに予算を出資できるというのは離脱派の主要なスローガンだったが、ここにきて前言撤回が相次いでいる。「浮いた負担金の使途は確約できない」「このスローガンは過ちだった」(独立党のファラージ党首)「自分はそんなことを言った覚えはない」(保守党のダンカンスミス元党首)。そのほか移民政策や離脱タイミングなどについても投票前の主張を翻す離脱派の政治家があとを絶たない。

◆敵前逃亡のボリス・ジョンソン前ロンドン市長を持ち出すまでもなく、信念からではなく野心からなされた政治家の主張は簡単にひっくり返ることを我々は改めて学んだ。英国民投票がもたらした「副産物」のひとつかもしれない。これから続々と行われる欧州各国の選挙や米国大統領選への影響が気になるところだ。

◆花火についてはさんざん日本が世界一と持ち上げたが、政治に関しては英国を笑えない。いよいよ投票日まで1週間を切った参院選は佳境を迎え、街頭に立つ候補者や応援の政治家の弁にも熱が入る。だが、ただ威勢のよい花火を打ち上げているだけの者もいないとは限らない。「政治家」と「政治屋」をしっかり見極めよう。「政治屋は次の選挙のことを考える。政治家は次の世代のことを考える」(ジェームズ・クラーク)。今度の参院選、最年少の有権者は高校生である。

マネックス証券 チーフ・ストラテジスト 広木 隆

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(マネックス証券)


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