経営×総務

コーポレートガバナンス・コードが上場企業に求めるものとは

2014年2月に「『責任ある機関投資家』の諸原則《日本版スチュワードシップ・コード》が公表されたのに続き、2015年5月の改正会社法の施行を経て、6月1日より日本の全上場企業に対し「コーポレートガバナンス・コード」の適用が開始された。企業が求められているものは何か、どのように取り組んでいけばいいのか、行政機関が運営する有識者会議等のメンバーとして活躍した、コモンズ投信株式会社の取締役会長である渋澤健さんにうかがった。

コーポレートガバナンス・コード
策定の背景と経緯

「コーポレートガバナンス・コード」で企業が求められているものは何か。どのように取り組めばいいのか

 企業統治(コーポレートガバナンス)の整備や強化が話題・問題とされるときは、国内外を問わず企業になんらかの不祥事が起こったことが契機となっている場合が多い。日本においては、2011年に創業家経営者による子会社からの巨額融資や、先進的なガバナンス体制を有するといわれていた精密機器メーカーの損失計上先送りといった不正が相次いで報道され、会計制度までを含めたコーポレート・ガバナンス・システムの在り方について国内外から批判の声が上がった。

 こうした状況を踏まえ、経済産業省の主管により次々と議論の場が設けられた。2012年3月には経済産業政策局長の研究会として第1回「コーポレート・ガバナンス・システムの在り方に関する研究会」が開催され、独立役員に期待される役割について整理を行うとともに、広く企業システムのあるべき形について検討を開始。そして同年7月、伊藤邦雄一橋大学大学院商学研究科教授を座長とする「持続的成長への競争力とインセンティブ~企業と投資家の望ましい関係構築~」プロジェクト(通称「伊藤プロジェクト」)が発足した。

 他方、金融庁では2013年8月より「民間有識者の知見を生かしつつ、機関投資家が適切に受託者責任を果たすための原則を策定することを目的」として、「日本版スチュワードシップ・コードに関する有識者検討会」を開催。2013年6月に閣議決定された「日本再興戦略」で「企業の持続的な成長を促す観点から、幅広い範囲の機関投資家が企業との建設的な対話を行い、適切に受託者責任を果たすための原則について、わが国の市場経済システムに関する経済財政諮問会議の議論も踏まえながら検討を進め、年内に取りまとめる」との表明を踏まえたものであり、2014年2月に「『責任ある機関投資家』の諸原則《日本版スチュワードシップ・コード》」(以下、スチュワードシップ・コード)が策定・公表された。

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