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吉田恒のデータが語る為替の法則

「スーパー介入」効果は10月半ばまでか?
介入の日米合意の裏に「中国の影」が…

吉田 恒
【第98回】 2010年9月22日
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 先週、6年半ぶりに行われた日本政府・日銀による円売り介入で、「円高・米ドル安」が一息ついた形になっています。

 しかし、この介入による円高阻止の効果は、よくてもせいぜい1ヵ月程度かもしれません。

「スーパー介入」の有効期限はどのぐらいか?

 9月15日(水)に行われた「円売り・米ドル買い」介入は、報道によると、2兆円弱にも達したと見られています。そうであれば、1日の為替介入額としては、史上第2位の記録になりそうです。

世界の通貨vs円 日足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 日足

 下の表は、財務省の資料をもとに、1営業日当たりの為替介入額上位をまとめたものです。

 それによると、史上最大の為替介入は1998年4月10日に行われた「円買い・米ドル売り」で、なんと2兆6000億円にも達していました。これに続くのが2004年1月9日に行われた「円売り・米ドル買い」介入で、1兆6000億円でした。 

 今回の「円売り・米ドル買い」介入は、1兆8000億円程度と報道されています。そうであれば、前述のように史上第2位の介入額となり、「円売り」として史上最大の介入額であった可能性があります。

 ただ、この1日につき1兆円を越える「スーパー介入」の効果は、これまでさまざまでした。

 上の表の右欄外の日数は、介入の「防衛ライン」が破られた営業日数です。

 これによると、1日につき2兆円以上にのぼる史上最大規模となった1998年4月10日の「円買い・米ドル売り」介入では、米ドルはその後4営業日で4月10日の高値を更新しています。つまり、介入の「防衛ライン」はたった4日間で破られていたのです。

 それどころか、1兆6000億円規模と、これまでのところの史上最大の「円売り・米ドル買い」介入であった2004年1月9日の場合は、わずか2日後に「防衛ライン」をブレイクされていました。

 これまでの1営業日当たりの為替介入額トップ10は、すべて1兆円以上に達していました。

 このうち、2000年4月3日、ならびに2001年9月21日の「米ドル買い」介入は当面の米ドル底入れをもたらし、また、2003年5月19日の「米ドル買い」介入も、再び米ドルが介入水準を下回るまでに88営業日、つまり4ヵ月程度かかりました。

 ところが、この3例を除いた7例は、介入効果が1ヵ月程度しかもたなかったのです。

「スーパー介入」でトレンドは変えられない

 それでは、「スーパー介入」が米ドルの当面の底入れをもたらした2000年4月と2001年9月が、どのようなケースだったのかを見てみましょう。

 前者は、1998年から続いてきた「円高・米ドル安」が、すでに1999年暮れまでに終わり、トレンドは「円安・米ドル高」へと転換し始めた局面でした。

 そして後者は、その「円安・米ドル高」が2002年春にかけて続いた中で起こった米ドル急落の局面でした。

 ただし、後者については少し解説が必要です。

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吉田 恒 

立教大学文学部卒業後、自由経済社(現・T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。同社代表取締役社長、T&Cホールディングス取締役歴任。緻密なデータ分析に基づき、2007年8月のサブプライムショックによる急激な円高など、何度も大相場を的中させている。2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケット エディターズ」の日本代表に就任。


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