「たった1文字の違い」が、
自分と相手の人生を変える


 たった1文字の違いで、言葉のニュアンスが変わります。たった1文字の違いで、受け取る側の気分が変わります。

 秘書をしていた友人が、お客様に「コーヒー、紅茶など、お飲み物はいかがですか?」とお声がけしたとき、「コーヒー『で』いいです」と答えるお客様と、「コーヒー『が』いいです」と答えるお客様がいると聞きました。

「で」と「が」のたった1文字しか違いませんが、「でいい」は、「選ぶのが面倒くさい」「ほかに頼むものはない」といった否定的なニュアンスが含まれています

 一方で、「がいい」は、「それがほしい!」という能動的な気持ちがあらわれています。

 相手の気持ちになって「1文字」を吟味する。そうすれば、「でいい」よりも、「がいい」と答えたほうが、「相手の気持ちに寄り添っている」ことがわかります。

 数年前、友人から届いた年賀状に、「まだ、マナー講師をやっているの?」と書かれてあるのを見て、私の心は、少しだけさみしい気持ちになりました。

「まだやっているの?」という言葉の中に「まだ、そんなことをやっているの?」というニュアンスが隠されているような気がしたからです。

 友人に「悪気がない」のはわかっています。

 けれど、一所懸命、頑張っていた私にとって、「まだ」のひと言はポジティブに受けとめることができませんでした。

言葉を受け取る側は、「言った人の意図」で受け取ってくれるわけではありません。

 そんなつもりではなかったのに、何気なく口にした言葉が誤解され、相手を傷つけてしまうことがあります。

 だからこそ、「1文字」を大切にする気持ちを持ちたいものですね。

 たった「1文字」を意識して変えるだけで、みなさんの人生が、そして相手の人生が変わり出すかもしれません。