店が悪いから客層が悪くなるのか、客層が悪いから店が悪くなるのか。どちらが先かはわからないが、「店はお客が育てる」という言葉もあるように、マナーの良くない常連客が幅を利かせている店は将来が心配だ。

生卵を投げつけられた……。
取材申し込みだって楽じゃない

 飲食店に取材申し込みをする記者やライターからも、証言が集まった。

「飲食店への取材申し込みはとにかく、営業だと間違われることが多い。取材と称してネット上に情報を掲載し、後から『掲載料』を請求するような悪質な業者もいるようなので、飲食店の人が取材申し込みを警戒するのはわかるのだが、こちらは本当にその店を取材したいと思っているので怪しまれるのはつらい。たいがいの店は真摯に話せば誤解が解けるが、厨房から生卵を投げつけられたときはつらかった」(30代女性)

「駅前にあるそば店。取材申し込みに行ったら、他の情報誌と間違われて店のおばさんから『あんたのところの雑誌はウソばっかり、ねつ造ばかりだから嫌いだ』と散々言われた。違う雑誌だと言ったが信じてもらえないし、そもそもその情報誌に対する評価も思い込みによる偏見が強すぎて話にならなかった」(30代男性)

「ある取材が終わった後、オーナーが記事を気に入らないという理由で呼び出された。オーナーは店のソファーに靴を履いたままヤンキー座りしていて、まともな店じゃないと感じた」(30代男性)

「あるビストロに取材を申し込んだとき、広報担当から『事前に質問をください』と言われたので送った。当日はその通りに質問を進めていたが、月商や客数について店長に聞いたら、広報から『そういうのはまとめた資料があるんで、後からメールで送るのを見てください。こっちは仕込みの時間に手を止めて取材受けてるんだから』と言われた。専門誌なので必須の取材項目だし、事前に質問を送っているのだから、その場に広報が資料を持って来ればいいのに。こんな広報ならいないほうがましだ、と店に言いたくなった」(20代女性)

 取材を申し込みする記者たちは、確かにその場では客ではない。しかし気に入った店であれば、プライベートでも足を運ぶことはもちろんある。飲食店も取材と見せかけた営業で嫌な思いをしたり、取材自体が嫌いだったりという事情もあるのだろうが、せめて人間らしいコミュニケーションは取ってほしいと思ってしまうもの。