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参院選直前、与野党それぞれの足並みは揃っているか?

降旗 学 [ノンフィクションライター]
【第167回】 2016年7月9日
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 参院選である。この参院選は、改憲を争点にしたくない与党と改憲を争点にしたい野党の争いのように見えて仕方がないが、何といっても理解に苦しむのは、足並みがそろわない野合連合……、もとい、野党共闘である。

 「では、民進党はイコール共産党でよろしいんですね?」

 党首討論で安倍晋三総理にツッコまれ、民進党の岡田克也代表も共産党の志位和夫委員長も“これからの話し合いで”と返すのがやっとだったが、自民党だけで議席数過半数超えの可能性が出てきた状況の中、国共合作ならぬ“民共合作”はあまりにも足元が弱い。

 「政権交代可能な勢力を、志位氏と一緒に作っていきたい」

 民進党の安住淳国会対策委員長は記者団に語ったそうだ。おいおいおい、なのである。たとえば自衛隊だ。共産党は、ちょっと前まで自衛隊は“違憲”だと言っていたが、最近になって“とりま、あり”と党の綱紀を変えた。だが、いずれ自衛隊は消滅させようというのが共産党の考えだ。自衛隊を解体してどうしたいのかは定かではないが、おそらくは新たに“共産党軍”を作り、日本国を彼の国みたいにする計画なのだろう。実に怖ろしい。

 民進党は、そんなところと手を組んでいるのだ。

 ついでながら記せば、防衛費を“人を殺すための予算”と言い募ったのは同じく共産党の藤野保史議員だ。この発言で藤野氏は政策委員長を辞任した。自衛隊を侮辱したのだから本来なら議員辞職ものだが、議員バッジは外したくなかったようだ。

 だから、藤野議員にはとりま中国に行って同じ発言をしてきてもらおう。その次はロシアだ。それからアメリカやヨーロッパ諸国をまわり、防衛費は人殺し予算だという自説をスピーチしてきてもらいたい。藤野議員は、習近平やプーチンの前でも同じことが言えるのか。

 参考までに、習近平・中国共産党中央委員会総書記は、全国人民代表大会に今年の国防費を約16兆7000億円と提示したそうだ。日本の防衛費のざっと3.3倍だ。過去10年、日本の防衛費がほぼ横ばい(10年前より若干減少)なのに対し、中国の防衛費は軽く四倍に増えている。軍事費総額で言ったらさらに倍だ。藤野さん、中国は世界の情勢に逆らうかのように、人殺し予算をがんがん増やしてますよ。

 そして、原発だ。共産党や社民党が“即時原発ゼロ”と訴えているのに対し、民進党の支持母体『連合』には再稼働推進派の電力系労組があるため、“2030年代原発ゼロ”と歯切れが悪かったりする。野合連合はぜんぜん足並みがそろっていない。

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降旗 学[ノンフィクションライター]

ふりはた・まなぶ/1964年、新潟県生まれ。'87年、神奈川大学法学部卒。英国アストン大学留学。'96年、小学館ノンフィクション大賞・優秀賞を受賞。主な著書に『残酷な楽園』(小学館)、『敵手』(講談社)、『世界は仕事で満ちている』(日経BP社)他。


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