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米警官の黒人射殺、ライブ動画の問題点浮き彫りに

ロイター
2016年7月8日
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米ミネソタ州で起きた警察官による黒人男性射殺直後の様子を映した10分間のライブ動画は、人の心を捉えるビデオストリーミングの魅力とともに、フェイスブック・ライブや同様の機能が提起する複雑な倫理的・規約的問題を改めて浮き彫りにした。写真は同動画を配信した被害者の恋人を記録する携帯電話。同州で撮影(2016年 ロイター/Eric Miller)

[ニューヨーク/ワシントン 7日 ロイター] - 米ミネソタ州で6日夜、警察官が黒人男性を射殺した直後の様子を映した10分間のライブ動画は、人の心を捉えるビデオストリーミングの魅力とともに、フェイスブック・ライブや同様の機能が提起する複雑な倫理的・規約的問題を改めて浮き彫りにした。

 同事件の被害者フィランド・カスティールさんの恋人が撮影した動画には、警察官が車内に銃を向け、カスティールさんが運転席で血まみれになっている様子が映し出されている。

 7日朝までに、この動画は400万回視聴され、同事件の前日にルイジアナ州バトンルージュで起きた警察官による黒人男性射殺事件とともに、広く関心を集めそうなストーリーを提供するフェイスブックの「ニュースワイヤー」でトップを独占した。

 フェイスブックは今年、成長戦略の中核として、誰もが自分のスマートフォンから直接動画を配信できるライブ動画機能を開始。短文投稿サイトの米ツイッターや米グーグルの持ち株会社アルファベット傘下の動画共有サイト、ユーチューブといったライバルも、インターネットコンテンツの新たな開拓分野としてライブ動画を推進している。

 従来のテレビ局は、米連邦通信委員会(FCC)の「良識的」な基準に基づき、暴力的、あるいはわいせつな映像は少し遅れて放送しなくてはならない。だがインターネットのストリーミングサービスにおいては、そのような制限はない。

 そうしたアクセスの利便性やオープンさによって、非常に個人的な配信が増えている。このような新しいタイプは、ミネソタ州の事件を撮影した動画の投稿直後にデモが始まったことからも明らかなように、非常に強いパワーを持ち得ると、擁護者は主張する。

 しかし規制の欠如が、皮肉とも言うべき「悲劇の搾取」を可能としているとの批判の声も上がっている。

 フェイスブックや他の企業は、起こり得る法的影響への心配もなく、「クリックやユーザーを獲得できると思えば何でも突進して行う」ことが可能だと、マイアミ大学の法律学教授、メアリー・アン・フランクス氏は指摘。同教授はリベンジポルノの被害者を擁護し、そのようなコンテンツの拡散防止に向けた企業努力を求めている。

 実際、インターネット企業は連邦法によって手厚く保護されている。彼らが提供するサービスに投稿された不快なコンテンツ、あるいはそれが違法なものであっても、単に第3者によるコンテンツを掲載しているだけでは、理にかなった削除条項を設けている限り、訴訟に発展することはない。

 こうした企業は独自のサービス利用規約を設けており、さまざまな種類の写真や動画を制限している。違反の通報はユーザーに大きく依存しており、削除するかどうかは社員か委託業者によって検討される。

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