豊島区の顔と言えば、やっぱり池袋。サンシャイン66がそびえ立ち、“おばあちゃんの原宿”巣鴨地蔵通り商店街があり、都電、あるいは「トキワ荘」という名物もある。

 トキワ荘と言えば、南長崎にあった今はなきこのアパート、手塚治虫、藤子不二雄、赤塚不二夫、石ノ森章太郎ら漫画界の巨匠を輩出している。だから、今も多くの漫画ファンにとって“聖地”となっているようだ。豊島区には一方で、高級住宅街として知られる目白エリアのようなところもある。

豊島区は人口密度のチャンピオン
「トキワ荘」の風情を残す狭い路地裏

豊島区――大志を抱く青年の街に「トキワ荘の灯」は再びともるか?

 アパートで思い出したが、この豊島区も、中野区と同様「木賃ベルト地帯」を抱えるところだ。だからこそ、“人口密度チャンピオン”となっている。

 M1層(20~34歳の男性)の割合が、中野区に次いで第2位となっている。その意味では“青年の街”だが、この中から第二、第三の手塚治虫や藤子不二雄が登場するだろうか。

 一方のF1層(20~34歳の女性)は第5位と上位ではあるものの、M1層ほどではない。男性の多さ(人口性比)で第6位、女性の多さ(同)では18位。やはりどちらかと言うと“男の街”なのだ。

 豊島区の居住環境を見てみよう。「1世帯当たり人員」は18位で下のほう。ということは、単身世帯が相当多いことを推測させる。

 「1住宅当たり延べ面積」「1住宅当たり畳数」共に、23区中21位。単身者向け住宅が多いということか。「建物棟数密度」「建ぺい率」をグロス(全土地に対する割合)で見ると、豊島区はトップに立っている。やはり、木賃ベルト地帯を有するこの区は極めて密集地域と言えるだろう。「不燃化率」(延面積ベース)も第10位と、あまり進んでいるほうではない。