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与党圧勝! 安倍首相は財政出動で成長加速目指す

ロイター
2016年7月11日
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参院選は、自民・公明の連立与党が圧勝した。この結果を受けて安倍晋三首相の政治的な立場は一段と強化されるとみられ、政策判断のフリーハンドを可能にしたと言える。写真は10日、都内の自民党本部で記者会見に臨む安倍首相(2016年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 11日 ロイター] - 参院選は、自民・公明の連立与党が圧勝した。この結果を受けて安倍晋三首相の政治的な立場は一段と強化されるとみられ、政策判断のフリーハンドを可能にしたと言える。

 直近の市場では円高が進んでおり、アベノミクスには逆風となるが、大胆な財政出動によって成長力を高めるとみられる。ただ、財源問題も絡み、財政健全化目標を堅持しながら、目指す経済成長を達成できるのか、残された課題も多い。

 安倍首相は10日夜、テレビ番組で「アベノミクスが信任を得た」と述べ、「包括的で大胆な、力のある」経済対策を策定したいとした。「経済対策を進めるうえで、力強い布陣を作りたい」と、内閣改造を行う考えも示した。

 谷垣禎一自民幹事長は「英国が欧州連合(EU)から離脱し、国際的な経済環境は厳しいものがあり、思い切った手立てを打っていかなければならない」と世界経済を取り巻く状況の厳しさを指摘した。

財政拡大へカジの公算大

 8日の海外市場では、ドル/円が100円半ばまで下落したことから、参院選明けのマーケットで100円割れの展開を想定する市場関係者もいる。

 過去3年余りのアベノミクスは、円安による株高を主なエンジンにしていただけに、直近の円高は株安を誘発し、日本経済に下押し圧力として波及するリスクを高めている。

 このため政府・与党内では、大胆な財政出動をテコに大規模な経済対策の策定を求める声が多くなっていた。ただ、財務省などは経済効果のある政策を着実に積み上げた対策策定を模索していた。

 しかし、参院選での与党圧勝を受け、安倍首相のリーダーシップの下で、10兆円を大幅に超える経済対策が策定される可能性が出てきた。

 一方で、安倍首相は2020年度のプライマリーバランス黒字化目標は堅持するとも述べており、財政健全化を掲げながらどのように経済成長を達成していくかが、今後の課題となる。

 経済界では最近の円高や株安で先行きに対する不安が強まり、政府に対策を望む声が強まっている。

 選挙結果を受け、自動車工業会は「選挙結果はアベノミクスに対する評価と今後のさらなる成長戦略に対する強い期待の表れ」とし、急激な為替の変動に対し「必要に応じて迅速・適切な対応をお願いしたい」とするコメントを発表した。

民進党は大幅減、岡田代表の地元では議席確保

 野党第1党の民進党は議席を大幅に減らし、与党の改選過半数阻止という目標は果たせなかった。岡田克也代表は、地元の三重県で民進党候補が負ければ次の代表選に出ず代表を退く考えを示していたが、民進党候補は当選。結果を受け岡田代表は「次期代表選に出るか出ないかは白紙だ」とし、「さまざまな要素を考え、私自身が判断したい」と述べた。

 今回の選挙では、与党だけでなく共産党やおおさか維新の会も議席を増やしており、岡田代表の責任を問う声が強まりそうだ。

 民進党は選挙公約で「ゼロ金利政策の撤回」を掲げていた。山尾志桜里政調会長はロイターとのインタビューで「金融政策頼みの経済は限界を超え出している」とアベノミクスを批判していた。

(宮崎亜巳、編集:田巻一彦) 

 

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