株式レポート
7月11日 14時2分
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上海株 重要なイベントを睨みながらの展開か GDPなどの重要な経済指標の発表に注目 - 中国株 Market Pick Up 今週の注目ポイント

先週の中国株式市場
―上海株 続伸 深センと香港市場の相互取引や国有企業改革への期待を受け―

<先週の概況>

先週の中国株式市場は高安まちまちでした。上海総合指数が週間で2%近く上昇した一方、ハンセン指数は1%安余り下落しました。

先週の上海総合指数は深セン市場と香港市場の相互取引や国有企業改革などへの期待から買いが先行し、2カ月半ぶりに節目の3,000ポイントを回復しました。しかし、利益確定売りに押され3,000ポイントを割り込んで取引を終えています。

中国株式市場バリュエーション

業種別リターン

香港ハンセン指数採用銘柄 週間騰落率ランキング

<上昇>

6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録で利上げについて慎重な姿勢が示されたことが好感され、香港系の不動産のサンフンカイプロパティーズ (新鴻基不動産・00016)が週間で5%高となりました。また、先々週下げていた値嵩株のインターネット大手のテンセント (騰訊控股・00700)は買い戻されると週間でほぼ横ばいでした。さらに、一部のディフェンシブ銘柄とされる小売のヘンガンインター (恒安国際・01044)や地下鉄の運営を行うエムティーアール (MTR・00066)なども堅調に推移しました。

<下落>

外資系証券による収益悪化懸念が燻るなか食品のワンワンチャイナ (中国旺旺・00151)が7%超下落しました。英国の欧州連合(EU)離脱決定が欧州経済や金融市場に及ぼす悪影響が依然として警戒されているなか、英国に本拠地を置く大手銀行のエイチエスビーシー (HSBC・00005)が週間で続落となりました。また、香港と深セン両市場の株式相互取引の開始時期が発表されなかったことからホンコンエクスチェンジ (香港証券取引所・00388)が2%以上下落しました。さらに、原油価格の大幅下落を受けてクンルンエネルギー (昆侖能源・00135)やシノック(中国海洋石油・00883)なども軟調に推移しています。

先週発表された主な経済指標

7月7日 中国外貨準備高 6月 32052億ドル 市場予想 31670億ドル 前月 31917億ドル

6月末の外貨準備高は32052億ドル(約320兆円)と市場予想を上回って2カ月ぶりに増加しました。中国人民銀行が人民元相場を支えるため、6月も外貨準備を取り崩して外為市場で元買い・米ドル売りの介入を実施するとの見方があっただけに、中国当局がある程度元安を容認したと市場が受け止める可能性がありそうです。また、英国の欧州連合(EU)離脱決定を受けてリスク逃避によるドル高が進んでいることもあって、人民元の対ドルレートが連れ安となる側面も要注意でしょう。

今後発表される主な経済指標

7月10日 消費者物価指数(CPI、前年比) 6月 +1.9% 市場予想 +1.8%、前回 +2.0%
6月のCPIは前年比1.9%増と前回から伸びが小幅に低下したものの、市場予想を上回りました。内訳をみると、食品を除くCPIが前年比1.2%と小幅に上昇した一方、食品CPIが前年比4.6%と前月から低下しました。引き続き豚肉(前年比30.1%)などの値上がりが目立っています。

7月10日 生産者物価(PPI、前年比) 6月 -2.6% 市場予想 -2.5%、前回 -2.8%
原材料価格が上昇したことを受けて、6月のPPI は前年比2.6%減と市場予想ほど減少幅が縮小しなかったものの、前月と比べ改善の傾向を示しています。

7月13日 中国貿易収支 6月  市場予想 +460.0億ドル、前回 +499.8 億ドル
輸出 6月  市場予想 -5.0%、前回 -4.1%
輸入 6月  市場予想 -6.2%、前回 -0.4%
6月の中国の輸出は前年比5.0%減、輸入が6.2%減と予想されます。6月の貿易収支が460億ドルと前月から減少しそうです。

7月15日 固定資産投資(前年比) 6月 市場予想 +9.4%、前回 +9.6%
固定資産投資額は、農村部を除いた都市部の建築工事や設備工事費を集計したものです。先月に鉄道の固定資産投資の上昇が全体の一定の支えとなりましたが、政府の規制による不動産などの伸び鈍化から6月の固定資産投資額は前年比9.4%増と先月から低下すると見込まれています。

7月15日 鉱工業生産(前年比) 6月 市場予想 +5.9%、前回 +6.0%
6月の中国製造業PMIや財新製造業PMIが共に前月から伸びが小幅に鈍化したことから、6月の鉱工業生産は前年比5.9%増と伸び率が前回から縮小すると見込まれています。

7月15日 国内総生産(前年比) 2Q 市場予想 +6.6%、前回 +6.7%
2016年4-6月期の国内総生産(GDP)は前年同期比6.6%増が見込まれています。特に中国共産党機関紙の人民日報で「権威人士(権威ある人物)」のインタビューに関する記事を受けて、鉱工業生産や不動産をはじめとする固定資産投資などの伸びがやや失速したほか、中国人民銀行による金融緩和のペースもやや緩めてきて、4-6月期のGDPは前回からの一段の減速が避けられそうにありません。

マーケットビュー
―上海株 重要なイベントを睨みながらの展開か GDPなどの重要な経済指標の発表に注目―

先週の上海総合指数は続伸となりました。上海総合指数は深セン市場と香港市場の相互取引や国有企業改革などへの期待から大きく上昇してスタートすると、5日には2カ月半ぶりに節目の3,000ポイントを回復しました。その後も3,000ポイント台を維持した上海総合指数は、買い材料乏しいなか週末に利益確定売りに押され3,000ポイントを割り込みましたが、週間では2%近く上昇しています。

先週のハンセン指数は反落しました。買いが先行し節目の21,000ポイントを回復したハンセン指数ですが、イタリアの銀行の信用不安などから大きく下げると週半ばには20,500ポイントを割り込みました。その後、7日には米FOMC議事要旨で利上げについて慎重な姿勢が示されたことを受けて大きく反発したハンセン指数ですが、週末も軟調となったことで週間では1.1%の下落となっています。

今週の上海総合指数は、10日発表された中国の6月の物価指数を受けて中国人民銀行による金融緩和期待がやや後退していることから節目の3,000ポイントを前に上値の重いスタートとなりそうです。こうしたなか13日の中国の貿易統計や15日の中国の4-6月期GDPなど重要な経済指標が相次いで発表される予定で、今週はこうしたイベントを睨みながらの展開となりそうです。

香港市場でハンセン指数は、先週末の欧米株高や原油高などを受けて上昇してのスタートとなりそうです。こうしたなか今週もハンセン指数は200日移動平均線や節目の21,000ポイントを試す場面がありそうで、200日移動平均線や21,000ポイントを回復し、維持できるかがポイントとなりそうです。

フィナンシャル・インテリジェンス部 林 宇川(Tony Lin)

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