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【三重県】革新、開放、素朴、勤勉
4エリアで異なる気質

都道府県データ:Vol.41

岩中祥史 [出版プロデューサー]
【第41回】 2010年9月30日
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 意外に思うかもしれないが、三重県は全国で3番目に南北の距離が長い。そのため、南と北とでは気候に大きな差がある。

 県の北東部はなだらかな伊勢湾に面し、その南側は海岸線がギザギザと複雑に入り組んだ志摩半島、さらに南に下ると広々とした熊野灘と、東側はずっと海である。これに対して西側はずっと山で、鈴鹿山脈におおわれた内陸の県北部は、冬になるとスキーが楽しめるほどだ。また、中部から南部は温暖な気候に恵まれている。

 志摩半島は、周りに見えるのはほとんど陸地ばかりというほど狭い入り江から成っている。となると、せせこましい考え方に支配されるのではないかと思いがちだが、実際は違う。というのも、ここには、全国から参拝客が訪れる伊勢神宮があるからだ。新しい情報が豊富に行き交い、それに日夜接する人々の意識も進歩的である。のんびりとはしているが、革新の気風が強い。

志摩半島以南は外に出たい思いが強い!?
世界に羽ばたく人が多い

 さらに、伊勢湾に沿って北に行くとそのまま濃尾平野に続いており、開放感が強い。そうしたこともあって、県内では工業化・都市化がいちばん進んでいる。

 逆に、和歌山県に近いエリアに南下すると、紀伊の山並みが海岸線ぎりぎりまで迫っているからだろう、息苦しい印象を受ける。温暖な気候と、向かい側に広がる熊野灘がそうした閉塞感を打ち破っている。漁業を生業としている人が多いから、素朴で豪放磊落の気質が強い。

 また、鈴鹿から滋賀県との県境にかけての一帯は、山また山という自然環境もあり、どうしても閉鎖的になりがちで、我慢強く勤勉な気質が目立つ。

 というわけで、三重県は、県の中が大きく四つのエリアに分かれ、それぞれ異なる気質が培われてきた。志摩半島以南では、狭苦しさから脱し外に出たいとの思いが強いようで、実際、これまで多くの人が世界に羽ばたいている。未知の国や地域、あるいは大都会に出て行っても、自分を見失わないタフさも三重県人の持ち味の一つといえよう。その背景には、経済は名古屋圏だが、言語や文化のベースは関西にあるということがあるに違いない。


◆三重県データ◆県庁所在地:津市/県知事:野呂昭彦/人口:185万5417人(H22年)/面積:5777平方キロメートル/農業産出額:1099億円(H19年)/県の木:神宮スギ/県の花:ハナショウブ/県の鳥:シロチドリ

<データはすべて、記事発表当時のものです>

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岩中祥史 [出版プロデューサー]

1950年、愛知県生まれ。東京大学文学部卒。出版社に勤務後、独立して編集企画会社エディットハウスを設立し、現在、代表。著書に、最新刊『日本を変える「名古屋脳」』(三五館)、『アナログ主義の情報術』(梧桐書院)、『出身県でわかる人の性格』『札幌学』、『博多学』、『名古屋学』(新潮文庫)などがある。各県の気質を調査した、現代県民性評論の第一人者。

 


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