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電気自動車ブームに便乗しない
トヨタ「サイオン」の存在意義

2010年10月4日
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先進諸国で若者の環境志向が強まる中、難しい舵取りを迫られているブランドがある。トヨタ自動車が米国で展開している若者向けブランド「サイオン」だ。コストパフォーマンスが競争優位の大きな源泉であるがゆえに、コスト増を招くハイブリッド車や電気自動車はラインナップに加えにくい。市場での、そしてトヨタ内での存在意義をどこに求めていくのか。
(文/ジャーナリスト、ポール・アイゼンスタイン)

 トヨタ自動車は、「プリウス」などの車種により、ハイブリッド車市場では世界首位となっている。だが、同社の若者向けブランド「サイオン」の米国事業部でゼネラルマネジャーを務めるジャック・ホリスは、サイオンがこの種の市場に参入する計画は「現時点ではまったくない」という。

 ブランド戦略としては、サイオンは低価格路線を続け、価格が高めになるハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、純粋な電気自動車の市場についてはトヨタに任せる、ということになる。

 2011年型のサイオン「tC」クーペの発表会の後、ホリスは 「(日産自動車の電気自動車「リーフ」に類した製品の投入により)ハイブリッド車や電気自動車に手を広げる計画はない」と言明した。

 ホリスは、「tC」クーペを見れば、サイオン事業部の戦略は分かるだろうと言う。この車種は2万ドル(約170万円)以下の価格帯に投入される。重視しているのはスタイルと、従来どおりの内燃エンジンによる駆動力の効率的利用だ。

 彼は、こうした戦略が時流に逆らっているように映るだろうと認めている。

 米国の自動車利用者のあいだでは、燃費抑制のためにバッテリーを利用する車種への幅広い関心が見られるが、調査によれば、特に「グリーン(環境に優しい)技術」が受けるのが、いわゆる「ジェネレーションX」と「ミレニアル(1970年代後半~1990年代に生まれた世代)」である。これはまさにサイオンの顧客層に相当する。サイオン購入者の平均年齢は37歳、特に「tC」については26歳前後まで下がる。

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