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金融市場異論百出

「預金者は愚痴るな」的発言で
英国の中央銀行副総裁が炎上

加藤 出 [東短リサーチ取締役]
2010年10月6日
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 イングランド銀行(BOE)幹部のテレビでの発言が、英国の預金者を激高させてしまい、“炎上”状態に陥ってしまった。

 チャールズ・ビーンBOE副総裁は、9月27日にチャンネル・フォーのニュース番組に出演し、現在同行が行っている超低金利政策は、家計に対して、貯蓄ではなく消費を求める政策であると説明した。英国の典型的な預金金利は金融危機前の2.8%から現在は0.23%へと低下している。

 ビーン副総裁は預金者に対して「全面的に同情している」と述べたものの、次のように語ったと報じられている。「預金金利が低いときに、利息収入だけで生活できるだろうかと予想するべきではない。元金を少し食いつぶすことが合理的といえる」「高齢者の家庭は、住宅価格の上昇でキャピタルゲインの恩恵を受けてきた」。

 この発言を「デイリーテレグラフ」紙は、「BOE幹部、預金者は愚痴るのをやめて、カネを使えと警告」とセンセーショナルに報じた。他の主要紙も批判的に報じている。ある著名な経済コメンテーターは「ビーンを擁護する」という文章を新聞に寄稿していた。いかに市民の批判が強いかを表している。「ガーディアン」紙はウェブサイトで「チャーリー・ビーンは正しいか?」というアンケートを行った。「ノー」は86%にも上った。

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加藤 出 [東短リサーチ取締役]

東短リサーチ取締役チーフエコノミスト。1988年4月東京短資(株)入社。金融先物、CD、CP、コールなど短期市場のブローカーとエコノミストを 2001年まで兼務。2002年2月より現職。 2002年に米国ニューヨークの大和総研アメリカ、ライトソンICAP(Fedウォッチ・シンクタンク)にて客員研究員。マネーマーケットの現場の視点から各国の金融政策を分析している。2007~2008年度、東京理科大学経営学部非常勤講師。2009年度中央大学商学部兼任講師。著書に「日銀は死んだのか?」(日本経済新聞社、2001年)、「新東京マネーマーケット」(有斐閣、共著、2002年)、「メジャーリーグとだだちゃ豆で読み解く金融市場」(ダイヤモンド社、2004年)、「バーナンキのFRB」(ダイヤモンド社、共著、2006年)。


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