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中国が借金逃れに「恥さらし」作戦、駅で顔写真公開

ロイター
2016年7月22日
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中国の銀行が抱える不良債権は、5月末時点で約31兆8000億円を超えるが、このような状況に対処するため、中国の裁判所は恥をかかせる奇策に打って出ている。写真は、負債を支払わない債務者の情報を公開する駅の電光掲示板。上海で15日撮影(2016年 ロイター/Aly Song)

[上海 19日 ロイター] - 上海の鉄道駅で行き交う大勢の通勤者の頭上に、大きな4つの掲示板がある。発車時刻を表示するスクリーンに挟まれた一部の掲示板には、中規模な工業製品メーカー経営者の名前が表示されている。

 しかし、会社や自社製品の宣伝をしているわけではない。

 上海の鉄道運輸裁判所が今月、この経営者の名前を掲示した。290万元(約4600万円)の負債を支払うことができなかったからだ。2年前には、浙江省にある別の裁判所が、中国建設銀行への借金返済が滞っているとして、同社に資産凍結を命じていた。

 中国の経済成長が減速するにつれ、経営難に陥る事業主はローン返済がますます困難になっていると感じている。5月末時点で、中国の銀行が抱える不良債権は2990億ドル(約31兆8000億円)を超える。ただしアナリストによれば、実際の水準はそれよりはるかに高いとみている。

 このような状況に対処するため、中国の裁判所は恥をかかせる奇策に打って出ている。

 中国の最高裁判所に相当する最高人民法院のトップである周強氏は3月、同裁判所が発行する新聞によると、返済逃れは大きな問題であり、裁きを逃れようとしても「隠れる場所はどこにもない」と語ったという。

 15日までの10日間で、個人債務者あるいは事業主20人の氏名、IDナンバー、住所、負債額などが10分間隔で、上海の主要な鉄道駅2駅のスクリーンに掲示された。なかには、写真付きの場合もあった。

 「不誠実な債務者を防ぐ重要な戦略だ」と、上海鉄道運輸裁判所のプレスリリースにはある。

 同プレスリリースによると、掲示された一部の債務者は電話番号や住所を変更して行方をくらましており、市民に情報提供を呼びかけているという。

 資産の凍結や売却といった通常の方法はうまくいっていない。「あまりに多くの案件があるにもかかわらず、判事が少なすぎる」と、金杜法律事務所で金融法務を担当する弁護士、Wu Zhendong氏は指摘する。

 中国の国家工商行政管理局(SAIC)が昨年末に出した法令は、企業が公に辱めを受けてもよいとする状況を規定している。

 この発令は、不誠実な債務者の情報は新聞、ラジオ、テレビ、インターネットで公開できるとする最高人民法院の裁定(2013年)が基となっている。

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