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ローコスト経営の奥義を伝授!
百貨店のJ.フロントがコンサル事業に進出した訳

週刊ダイヤモンド編集部
2010年10月8日
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 百貨店のJ.フロントリテイリングが、コンサルティング事業に乗り出す。

 同社は、大手百貨店の中でもローコストオペレーションが進んでおり、2009年度の売上高販売管理費率は22.7%。三越伊勢丹ホールディングス(26.5%)や高島屋(30.7%)に大きく差をつけている。こうした実績を生かし、9月にコンサルティング会社「JFRコンサルティング」を設立した。

 J.フロントは、2007年9月~2010年2月までの2年半で246億円の販売管理費を削減している。内訳は、発注一元化で85億円、働き方改革で42億円、退社不補充で69億円などだ。

 物資購入やサービスなどの発注では、「競合を入れること」(土井和夫・JFRコンサルティング社長)で単価の引き下げにつなげた。複数業者から見積もりを取り、単価表を作成することがポイントだ。

 J.フロントでは、旧大丸は発注単価の抑制が進んでいたが、旧松坂屋は遅れていた。警備業務を例に取ると、松坂屋銀座店では警備1ポスト(1日3交代、1カ月当たり)の単価が140万円だったが、競合を入れたところ一気に90万円に下がった。

 働き方改革では、ルールを確立することで、社員が時間を効率的に使うようになり、残業代の抑制につなげた。代表的なのがノー残業デー。ほかに、会議資料は一つの議題についてA4サイズで3枚まで、集中タイムの午後2時~4時の2時間は本業に集中し社内電話は取らない、といった具合にルールを設けた。

 実際のコンサルティング事業では、コスト削減計画を策定し、実施の点検とフォローをする。構成要素を一つずつ分解し、固定費を変動費化する手法で取り組む。強みは、「実践に基づいた提案ができる」(土井社長)こと。大丸で15年間にわたりコスト構造改革推進部長を務めた土井社長は、「発注単価は、ほとんどの分野でマーケットプライスが頭の中に入っている」と自信を見せる。

 対象は、販売管理費が50億円以上の企業。現在、地方百貨店や金融機関など10社ほどから問い合わせが来ている。効果が出るかどうかの目安は、「発注の単価表を持っているかどうか。なければ、当社がコンサルすることで販管費を1割は削減できる」(土井社長)という。報酬は経費削減額の20%と明朗会計だ。

 百貨店は市場の縮小が顕著になっており、いわゆる“斜陽産業”。J.フロントは生き残りのために、経費削減に積極的に取り組んできたが、その経験を生かしたコンサル分野に進出することで、収益拡大を狙っていく。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 須賀彩子)

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