自分が出社する時間は自分でコントロールできる

 私たちは思い込みという鎖につながれています。たとえば、コントロールできない出来事なのに、できると信じていることがたくさんあります。天候のことで不平を言って時間を無駄にしてしまったり、妻や子どもや部下をコントロールするという実りのない努力をしたりします。

 逆にコントロールできる出来事なのに、できないと信じてしまうこともあります。たとえば、出社時間は自分ではコントロールできないと思い込んでいます。しかし、実はできるのです。たしかに、9時出勤という会社の規則は変えることはできませんが、自分が出社する時間は自由に自分で決められます。

 実際、私は会社員時代、始業時間の2時間前に出社していました。電車は空いているし、余裕を持って歩いていけるし、いいことだらけでした。好きな読書もたっぷりできますし、この時間を使って将来の夢の準備もできます。ハイラムの考え方がそのことを気づかせてくれました。

大事な用事を先にスケジュール帳に書き込んでおく

 友人や上司に飲みに誘われたとき、あまり気乗りしないのに、時間が空いているからという理由で付き合うことがあります。この時間は無駄になる可能性大です。もっと重要な未来のために使える時間かもしれませんし、健康管理のため、家族のために使えるかもしれません。自分にとって大事な用事があることに気付いていれば、断るはずなのです。それをしないのは、自分にとって「何が一番大事なことなのか」を、明確に把握できていないからです。

 だから、最初にやるべきことは、「自分にとって、何が重要なのか」を一度棚卸ししておくことです。まずは、次の2つの質問を自分に投げかけてみましょう。

(1)人生のなかであなたが大切に思っているものは、何ですか?
(2)そのなかであなたが最も価値を置いているものはどれですか?

 自分にとって重要なことが明確になったら、それをスケジュールに入れておきます。そこには、「休息を取る」とか「読書をする」とか「子どもと話す」など、普通は、スケジュール帳に書かないようなことも書いておきます。これらの予定でスケジュール帳がうまっていれば、気乗りしない誘いがあっても、スケジュール帳をペラペラとめくって「あ、ごめんなさい。先約がありました」と言って断ることが可能になります。