「そういうことじゃ。あとは、2012年のスペルドゥッティのメタ解析も参考になるぞ」

ヨーダはどんどん次の論文に進んでいく。メタ解析というのは、ほかの多くの研究結果をまとめて解析することにより、研究手法の違いや症例数の少なさなどを補い、信頼性の高い結果を導き出す方法のことだ。

この研究でも、瞑想時には脳活動の変化が認められていた。活動変化部位は、尾状核(不要な情報を除いて注意を向けることに関与)、嗅内野(心がさまようのをとめることに関与)、内側前頭前皮質(自己認識や統制に関与)など。やはり、瞑想には脳と心を整える効果が見込めるということだ[*7]。

*7 Sperduti, Marco, Pénélope Martinelli, and Pascale Piolino. “A neurocognitive model of meditation based on activation likelihood estimation (ALE) meta-analysis.”Consciousness and Cognition 21.1 (2012): 269-276.

疲れない脳の構造は「自分でつくれる」

「ここまでの話だけであれば、驚くようなことはないかもしれん。『瞑想をすれば心が落ち着く』なんてことは、わざわざ科学が実証せずとも、たいていの人がなんとなく思っとることじゃからな。

それだけでは終わらんところが、マインドフルネスの脳科学の面白いところじゃ。端的に言えば、マインドフルネスは脳の一時的な働き具合だけではなく、脳の構造そのものを変えてしまう」

いよいよ核心に近づいてきたようだ。ヨーダがにんまりと笑っている。

(次回に続く)