カフェ飯にキーマカレーが多い理由とは?<br />年200皿カレーをつくる男の最強レシピ小宮山雄飛(こみやま・ゆうひ) 1973年、東京・原宿生まれ。ミュージシャン。1996年「ホフディラン」のボーカル&キーボードとして「スマイル」でデビュー。「ザ・ユウヒーズ」、「BANK$」名義でも活動、近年は子供番組へ楽曲提供を行うなど活躍の幅を広げている。食べ歩きやカレーづくりに飽くなき情熱を注いでおり、“音楽界のグルメ番長”の異名をもつ。「東京カレンダー」「UOMO」などの雑誌に食のコラムを連載中、またNHK Eテレ「やさいの時間」にカレーの講師として出演中

 年に200皿ものカレーをつくるミュージシャンがいる。ホフディランの小宮山雄飛さんだ。小宮山さんがカレーづくりに目覚めたのは今から8年程前。スパイス専門家からカレーのつくり方を習うという雑誌の企画がきっかけだった。今ではテレビ番組でカレーづくりのコーナーを担当したり、ル・クルーゼの会長に日本のカレーを振る舞ったりと、すっかりカレー通として有名になっている。そんな小宮山さんだが、実はカレーのない家庭に育ったという。

「うちの母は出来合いのものや、化学調味料を使わない人で、カレーのルウも使いたくないという人でした。かといって、スパイスからカレーをつくるのも難しい。ということで、我が家は『カレーのない家庭』だったんです。そんな状態で東京の専門店のカレーを食べたものですから、こんな美味しいものがあるんだ!と、すごい衝撃を受けました」(小宮山さん)

 もっぱら食べ歩きが専門だった小宮山さんだったが、スパイスにはまってからは家でのカレーづくりに目覚め、スパイス問屋に行ってスパイスを買い集める日々が続いたという。しかし、本格的なカレーづくりは手間がかかり大変なため、徐々に回数が減り、いつの間にかたまにつくる“ハレ”の料理となっていった。それが、カレー粉に出会ったことで大きく変わる。万人がこれぞカレー!と思える調合がされているカレー粉だけに、面白いくらい簡単に、おいしくできるのだ。

「僕にカレーづくりの楽しさを教えてくれたのがスパイス、そして、そのスパイスによって逆に身動きが取れなくなっていった僕を、呪縛から解き放ってくれたのがカレー粉。大げさに言うのならばそういうことなんです(笑)」(小宮山さん)

 簡単につくりたいときはカレー粉、エッジの利いたオリジナルカレーをつくりたいときはスパイスと、使い分けることでよりカレーを楽しめるようになったという。

カフェ飯にキーマカレーが多い理由とは?<br />年200皿カレーをつくる男の最強レシピカレー粉・スパイスではじめる 旨い!家カレー
小宮山雄飛著 定価:1,728円(税込)

 そして今年6月、とうとう『カレー粉・スパイスではじめる 旨い!家(うち)カレー』(朝日新聞出版)というレシピ本まで作ってしまった。本格的なカレーづくりは難しく、面倒くさいものだと思いがちだが、小宮山さんのレシピはとてもシンプルだ。本格的なカレーがつくりたいならいろいろなスパイスを使って、面倒だという人はカレー粉を使えばいい。トマトだって面倒ならトマトジュースでいい。それでも驚くほど簡単においしくつくれてしまうのだ。

 数あるレシピのなかで、とくにおすすめのカレーは何か聞いたところ、キーマカレーだという。