ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
起業人

確実に儲ける「再現性」で勝負する
中古マンション販売の“異端児”
スター・マイカ社長 水永政志

週刊ダイヤモンド編集部
【第126回】 2010年10月14日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage
スター・マイカ社長 水永政志
Photo by Kazutoshi Sumitomo

 「(貸借人は)いてよし、出てよしですね」。スター・マイカ社長の水永政志は、ビジネスモデルをこのように表現する。

 具体的には、賃借人が入っている中古マンションを大家から買い取り、賃借人がいるあいだは引き続き大家として家賃収入を得て、退去後は中古市場で売って売却益を稼ぐ。賃借人がいれば、家賃収入で儲かり、出ていっても売却益で儲かるのだ。

 重要なのは、わざわざ賃借人がいる物件を購入する点だ。賃貸中の物件は空き物件よりも3割は安く、リフォームして売れば、必ず10~13%の売却益が見込めるからだ。

 賃貸中の物件が安いのは、不動産業では常識だ。業者によっては、高く転売するために賃借人に立ち退き料などを手渡し、なんとか追い出そうとする。

 しかし、同社の場合、継続して住んでもらう。「賃借人は平均2年で自然に出ていく。そのぶん、コストもかからず家賃も入る」と説明する。

わが社はこれで勝負!
同社の金庫には、約1000戸分の中古マンションの権利書がある。他社が簡単にまねできない強みとは、大量の物件を売買する膨大で細かい事務処理作業と過去の実績、2時間以内で過去のどんな物件でも査定が可能なデータだ

 同社が保有する中古マンションは2000万~3000万円のファミリータイプが中心で、約1000戸。年間約500戸の物件を販売し、約500戸の物件を購入して穴埋めする。

 年間約1000回という取引で、コツコツ稼ぐという非常に根気のいる商売だ。

 地味である。水永の華麗な経歴を見れば、こんなビジネスを始めたのは、不思議でもある。

まさかの手痛い失敗が
大きなきっかけとなった中古マンション事業

 水永は、東京大学在学中、コンピュータソフトウエア会社を興して学生起業家として活躍後、三井物産に入社。米国でMBA取得、ボストン コンサルティング グループを経てゴールドマン・サックス証券では、富裕層向けに資産運用サービスを提供するプライベートバンキング部門で活躍した。

 ゴールドマン・サックス時代には、給料明細の枚数で月給を数えた(当時は1枚当たり999万9999円の印字が限界だったため)という逸話が残っているほどだ。

 もっとも、水永はここまで順風満帆だったわけではない。「いい気になって大失敗したことがある」と打ち明ける。

 それが2000年の不動産ファンドの運用会社、ピーアイテクノロジー(後のアセット・マネジャーズ)の設立だ。

 取り組んだのは当時、海外で発展していた不動産証券化ビジネス。これを日本に導入するビジネスプランは完璧に思えた。幹事証券会社、メインバンク、監査法人のすべてが太鼓判を押し、わずか6ヵ月で上場させることが決まっていたほどだった。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

週刊ダイヤモンド編集部


起業人

先達の苦難の道のりには、汗と涙に彩られた無数のドラマがある。そして、起業家達の苦闘の中には明日への成功のヒントとノウハウが凝縮されている。

「起業人」

⇒バックナンバー一覧