現職との「癒着」は、なぜ起こるのか?

 言語道断だか、現職職員を接待したり賄賂を渡して、自分の顧客の調査情報などを収集するケースが多発している。ひどいケースでは、調査進行管理している税務署の統括官が、OB税理士から頼まれて「故意に調査対象から外す」という不正行為もあった。

 当局では、国税OB税理士との接触を制限しているが、同じ釜の飯を食った先輩から頼まれごとをされたら、簡単には断りづらいのかもしれない。飲み会がやたらと多いのも国税の特色である。一年の節目、事案の節目、同じ職場の飲み会、出身地別の飲み会、税務大学校の同期会など、本当に飲み会が多い。けれども、酒が入ると事件が起きやすくなる。そもそも、癒着が起きやすい体質なのかもしれない。

 大阪国税局管内で起きた事件では、国税OB税理士A氏が現役の頃に同じ部署で勤務した先輩後輩の間柄だった。先輩が職場を去って税理士になってからも交流は続いた。

 A氏が、後輩にKSK(国税総合管理)システムの課税検索資料(納税者の具体的個人情報)を不正に取得するように要請、現職の後輩職員はプリントアウトした課税検索資料を渡した。

 また、A氏の顧問先の税務調査の際に、後輩職員が調査担当者になったことがあり、追徴税額に手心を加えて相当の減額をして調査終結とした。見返りは、数十万円の「チップ」や繁華街での飲食代だった。