クローズからオープンへの大転換?<br />鳴り物入りの「mixiチェック」を使いこなす法話題を呼んでいる「mixiチェック」のイメージ画面。マイミクがチェックした情報が時系列に一覧表示される。

 国内最大手のSNS「mixi」が9月に発表した新機能「mixiチェック」が話題となっている。

 これは、外部サイトに設置された「mixiチェック」ボタンをクリックすることで、mixi内で手軽に友人・知人(マイミク)と情報共有を図ることができるというサービスである。

「情報をシェアする」というソーシャルサービス自体は、それほど新しいものではなく、「はてなブックマーク」「Twitter」など枚挙に暇がない。だがmixiの場合、長く「招待制」という形を取っていた。

 そのため、多くのユーザーのソーシャルグラフ(人間関係図)は、遊び仲間や仕事仲間といった具合に、現実生活に即している。信頼できる人物がチェックした情報であれば、その情報に対する信頼度も高まる。つまり、バイラル効果も強まると考えられる。

 それだけに、2000万を超えるユーザーが作り出す、リアルに基づいたソーシャルグラフは、企業にとっても宝の山だ。ヤフーや楽天、amazon.co.jp、asahi.comといった大手ポータルサイトが「mixiチェック」ボタンを設置している様子からも、その期待の大きさが窺える。

 では、肝心のmixiユーザーは「mixiチェック」をどのように使いこなせばいいのだろうか。

 まず、共有する情報は、グルメやオークション、共同購入といった、実生活に役立つものを優先すると便利だ。たとえば、気に入った飲食店などはこまめにチェックしておく。残り時間が迫っているオークション情報を知らせる。あるいは、グルーポンなど最近流行りの共同購入クーポンサイトの商品情報を素早くチェックする――いずれも、「マイミクにとっても有益であるか」を考えながら、チェックを上げていくことが肝要だろう。

 その上で活用したいのが、公開レベルの設定だ。「mixiチェック」の場合、現時点では「友人(マイミク全員)」「仲良し」「グループから選択」「友人の友人まで公開」「非公開」という5つの公開レベルを選択できるようになっている。

 チェックした内容に応じて、どのマイミクに伝えたい情報であるのかを明確に示すよう心がけておきたい。ちなみに「非公開」にしておくと、自分だけのブックマークとして利用することも可能だ。

 また、自分でサイトや外部ブログを運用しているユーザーであれば、そこに「mixiチェック」ボタンを設置して、更新情報をマイミク宛てに伝えることもできる。この場合、数行のスクリプトを任意の箇所に貼り付けるだけなので、それほど難しい知識を必要としない点が嬉しい。mixi内の日記も利用しているが、複数のブログにも執筆しているというユーザーには、こうした活用もお勧めだ。

 ただし現時点では、「使い方がわからない」「mixiボイスとどう違うのか?」という声も耳にする。いまいち盛り上がりに欠けている印象は否めず、ユーザーとmixi側との間には、微妙な温度差があると言えそうだ。企業からの期待度も高く、様々な可能性をはらんだ新機能であるだけに、今後の展開は要チェックだ。

(中島 駆)