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任天堂が戦略転換、マリオでミッキーの成功狙う

ロイター
2016年8月2日
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スマートフォン向けゲーム「ポケモンGO」の驚くべき大ヒットで、任天堂は、スーパーマリオのような他の人気キャラクターをライセンス化することで、さらに利益を上げようと考えている。写真はマリオのフィギュア。都内の同社ショールームで14日撮影(2016年 ロイター/Issei Kato/File Photo)

[東京 28日 ロイター] - スマートフォン向けゲーム「ポケモンGO」の驚くべき大ヒットで、任天堂は、スーパーマリオのような他の人気キャラクターをライセンス化することで、さらに利益を上げようと考えている。

 そのお手本となるのは、ミッキーマウスやその仲間たちのライセンス商品によって毎年何十億ドルも売り上げている米ウォルト・ディズニーの戦略だ。

 ディズニーのアニメ化されたキャラクター商品が、映画の興行収入よりも売り上げることの多い一方、スーパーマリオやポケモン、その他の任天堂のキャラクターたちは、苦戦するゲーム機ビジネス以外での活用に同社が積極的ではなかったため、日の目を見ない状況に置かれていた。

 ポケモンGOの成功は、任天堂のキャラクターたちがゲーム機ビジネスの世界から飛び出し、ポケモンのように歩き回ることを予兆しているのかもしれない。そうなれば、19世紀の京都で花札を製造する会社として始まり、世界有数のコンピューターゲーム会社へと成長した任天堂が復活する可能性を秘めている。

 ポケモンGOは米グーグルからスピンアウトした米ゲーム会社ナイアンティックが開発・配信を手掛け、ポケットモンスターの権利を保有している「ポケモン」はライセンス料と開発運営協力費を受け取る関係にある。ポケモンは任天堂が32%出資する持ち分法適用会社。任天堂はナイアンティックにも出資しているが、出資比率は明らかにしていない。

 任天堂の君島達己社長は、株主・投資家へのメッセージのなかで、「これまでビデオゲーム専用機に集中させてきた任天堂IP(知的財産)をさまざまな形で活用していく」と表明している。

 それは宝の山が眠っているようなものかもしれない。

 「任天堂の知的財産の価値はばく大で、3─5年かけて徐々に開放されると、われわれはみている」と、証券会社ジェフリーズのアナリスト、アトゥル・ゴヤル氏は25日のリサーチノートにこう記している。

 玩具メーカー、タカラトミーの広報担当者は、ポケモンGO配信後、ポケモン関連のおもちゃに再び関心が高まっていると指摘する。

 主に円高を背景として4─6月期に連結営業損失を計上した任天堂は、「ゼルダの伝説」を含む人気シリーズのキャラクターライセンス化を拡大する戦略を打ち出すとみられる。

 玩具メーカーのある社員は、任天堂のライセンス事業担当者はごく少数で、限られた企業としか取引していなかったが、IPビジネス拡大を打ち出してから、それは変わりつつあると語る。

 任天堂の代表取締役でスーパーマリオの生みの親である宮本茂氏は、同社のキャラクターをゲーム機以外に広げ、収益を創出するライセンス契約の対象とする意欲が高まっていると指摘している。

 宮本氏は6月末に行われた定時株主総会で、「結果が出るには時間がかかるが、ご期待いただければと思う」と述べ、ユニバーサル・パークス・アンド・リゾーツと基本合意し、テーマパーク事業に任天堂のキャラクターを提供することも始めていることを明かした。

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