1つはお金の動き。「現金を使うのか」「預金を使うのか」「掛けにするのか」などです。もう1つは、そのお金が動いた原因。「売上代金が入ってきたのか」「経費が出ていったのか」などです。

 例えば、取引先から売上代金1万円が振り込まれたとします。この場合、「お金の動き=預金が増えた」「原因=売上代金が入ってきたため」と表現できます。

 これを記録していくのが簿記なのです。「2つの視点から取引を記録する」と考えてもらってもかまいません。

 ちなみに仕訳とは、発生した取引を記録することです。先ほどの仕訳は、「預金1万/売上1万」と書きます(売掛金で処理している場合は、預金1万/売掛金1万となります)。

 左右に、お金の動きを振り分けるわけですが、どちらが左、どちらが右なのかは迷うところではあります。基本的には、お金が増えたら左、お金が減ったら右に書きましょう。

 例えば「新商品の広告費として5000円使った」場合、増えたのは広告費、減ったのは預金なので、「広告費5000/預金5000」になります。