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「伝える」から「動かす」へ。
それがマーケティングの役割

インテグレート ―― デジタル時代のマーケティング入門
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2010年10月25日
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ワコールがこの春から展開し大きな成果を得たキャンペーンを手掛けたインテグレート。テーマは「バストのエイジングケア」。「バストは年齢とともに変わる」との意識を、多くの女性に喚起し、当該製品売り上げ目標230%、エイジングブラ売り上げ前年比130%、ブラジャー総合売り上げでも110%と、目に見える実績を上げた。仕掛け人の一人、インテグレートの松田氏にその戦略と戦術を聞いた。

 下着市場で圧倒的なシェアを誇ってきたワコールが、これまでとはまったく異なるアプローチで新規事業の成功を目指した。パートナーには博報堂と、マーケティングプランニングおよびコンサルティングを行うインテグレートが選ばれた。

――キャンペーンにあたって、どんな戦略を立てたのですか?

松田真紀
アカウントプランニング部
プランナー

松田 下着市場ではアパレルと同様に、ファストブランド、通販チャネルの台頭によりコモディティ化が進み、デザイン性や低価格などを強みとする競合企業が成長をしています。業界最大手のワコールがこの状況にどう対抗するか、それがテーマでした。

ワコールには機能重視のMD(マーチャンダイジング)や、百貨店・専門店で展開してきたBA(ビューティー・アドバイザー)による対面販売という特徴があります。訓練された専門家がきちんと採寸してジャストフィットするブラジャーを提供するというスタイル。

それがワコールにとっては逆風ともいえる時代背景のなかで、時には「面倒」といったイメージでとらえられるようになってしまいました。

そこで、ワコールが持つ独自の提供価値を再度、優位性につなぐための商品の選び方自体を変える戦略を構築することになったんです。

企業の「伝えたい」を生活者の「聞きたい」に

――消費者の気持ちを動かし、行動を起こしてもらうために、どのようなアプローチをしたのですか?

松田 他社にない強みとして弊社が着目したもの。それは、ワコール人間科学研究所の存在と、同研究所が45年にわたって蓄積してきた、女性のバストが年齢とともに変化するという4万人分もの実測データです。

その内容には驚きました。ほかのどこにもない事実があったからです。「ジャストフィットしたブラをすれば、加齢によるバストの下垂を防ぐことができる」という研究に基づいた事実の数々を目の当たりにしたときは、私自身、一人の女性として衝撃を受けましたし、同時に、当然、エイジングを防ぐ解決方法の発見にうれしくもありました。そして、これをメッセージとして効果的に発信することができたなら、必ず女性たちは動くと確信しました。

問題は発信の仕方。インテグレートがマーケティングの初期段階で大切にするのが「自分ゴト化」です。それを「バストのエイジングへの興味喚起」からスタートすることにしたんです。

重要なのは、企業サイドの“伝えたいこと”をいかに、生活者サイドの“聞きたいこと”に翻訳していくかです。現代の生活者は、“伝えたいこと”をどんなに大量に露出しても、きちんと“自分のコト”として共感できなければ行動を起こしません。

情報に納得し、信頼し、「もっと聞きたい、知りたい」となったとき、ようやく動き始めるのです。そこで私たちは社会、流通、報道、生活者という四つのインサイトを通じて、“翻訳”の作業をしていく「情報クリエイティブ」を行ったのです。

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