富士重工業社長 森 郁夫<br />新興国向け低価格車は不参戦<br />独自エンジン車を訴求するPhoto by Kazutoshi Sumitomo

──日産自動車の新型「マーチ」をはじめ、自動車各社は新興国開拓のために小型の低価格車開発でしのぎを削っている。このエントリーカー競争に参戦するか。

 まったく考えにない。「レガシィ」「フォレスター」「インプレッサ」など今あるラインナップのバリューを訴求することで、新興国を含む各市場を開拓していく。

 グローバルで評価されるバリューやニーズにはいろいろなものがある。サイズでいえば当社の車種は、米国などでむしろ大型化を求められてきた。最近ようやく世界で戦える大きさに追いついたばかり。大きくしたサイズが適切だったことは、米国販売の好調ぶりに表れている。

 グローバルのニーズに応えて既存車種が大きくなったぶん、日本向けは小さいサイズのラインナップが空いてしまった。そこは新しいクルマで埋めていくことになる。