「いい歯医者さんにかかりたい!」というのは患者の切実な願い。でも、歯科医師、歯科衛生士も人の子。患者さんにちょっと言いたくなることも、たまにはあります。

「こんな患者さんに困っています!」歯科医師・衛生士覆面座談会クマさん:歯科医師。スポーツ選手や遠方の患者も多数/いぬさん:歯科医師。「自身の歯を大事にする治療」が信条/うさぎさん:仕事に全力投球!の歯科衛生士。ラブラブの新婚さん(イラスト/サタケシュンスケ)

 週刊朝日MOOK『いい歯医者2016』で、現役歯科医師・歯科衛生士の方々が語ったホンネとは? 今回は覆面座談会なので、クマさん、いぬさん、うさぎさんに扮していただきました。

<クマさん>
歯科医師。スポーツ選手や遠方の患者も多数

<いぬさん>
歯科医師。「自身の歯を大事にする治療」が信条

<うさぎさん>
仕事に全力投球!の歯科衛生士。ラブラブの新婚さん

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いぬさん:やっぱりいちばん困るのは、無断キャンセル、ドタキャン、遅刻です。30分間の診療予定なのに、15分も遅れてきて「ちょっと遅れました」と言われると、思わずムッとしてしまいます。

クマさん:その次はお金がらみ。治療を始める前にきちんと説明したのに、「聞いてない」って逆ギレされて……。また、「自費診療でやります」と言うので、自費技工物の作業を進めていたのに、途中で「やっぱり保険診療で」というのも困ります。自費技工物が完成した後で、「思っていたのと違うから払いたくない」と言われた話も聞いたことがあります。

いぬさん:治療費に関することは、紙に書いて渡すようにしている歯科医院もありますよね。

クマさん:以前、何度調整しても「義歯が合わない」という患者さんがいらっしゃいました。機械メーカーを定年退職された方で、ある日、図面を描いて「ここをこう直せば合うようになるはず」と言ってこられた時は驚きました。確かに図面はお上手でしたけど(苦笑)。なかには自分で勝手に削って調整する人もいますが、それだけは本当にやめてください!

うさぎさん:歯が痛くなったり、トラブルが生じたりしてから歯科医院に来られる方がほとんどですが、本当は何でもない時に美容院感覚で、定期的にメンテナンスに来てくださるといいですね。実はそのほうが、長い目で見ると治療費も抑えられますし。