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絶滅危惧種なお仕事ガイド

「72歳ベテランガイド」と行くバスツアーが爆発的人気!
景色そっちのけで熟男熟女がハマる“意外な楽しみ”

曲沼美恵 [ライター]
【最終回】 2010年10月28日
著者・コラム紹介バックナンバー
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 1台のバスに2人もガイドを乗せて成功しているバス観光があると聞き、興味が沸いた。

 「感謝オーライ! 歌う昭和の名ガイドと行く あの歌この歌東京ドライブコース」

 現役ガイドと往年の名ガイドがコンビを組み、昭和の名曲をカラオケで歌いながら、東京の街を巡る。約2時間半で、料金は2500円。途中、靖国神社で30分間の休憩を挟むほかは、ずっとバスに乗りっぱなし、というコースである。

名刺でも人を楽しませてくれる
はとバス社員の遊び心

 インターネットで予約を入れ、出発地点である東京・浜松町のバスターミナルへ。そこでまず、はとバスの広報担当者に会う。

 「よろしくお願いします」とあいさつを交わし、もらった名刺に目を落としたとたん、見てはいけないものを見てしまった気分になった。

 紫の地色に白字ででかでかと、「気になる臭、はとばちゅ。」と書いてあるのだ。

 それにも増してインパクト大だったのが、彼女の名前。

 「永井モンロー麻里」

 モ、モンローですか? ふいに、頭の中を「マ、リリーン」と『1986のマリリン』が流れる。年がわかって気恥ずかしいのだが、亡くなった歌手、本田美奈子のヒットソングだ。

 名刺に刷るくらいだから、きっと、冗談ではないだろう。冷静を装い、「ひょっとして、ハーフの方なのでしょうか?」と聞いてみる。

 「ええ。母親がタイ人なんです」と笑って答える永井さん。

 どうりで、生粋の日本人に見えるはずだ……と半分は納得しながらも、肝心の疑問が解消されたわけではないことにも気づく。

 「つまり、それはミドルネームかなにか?」

 「いいえ。おもしろいからモンローでいこう、と上司が言いまして」

 なんと、ただの冗談だったのか……。

 はとバス、油断ならない会社である。

60歳以上の女性客も嫉妬する?
72歳ベテランガイドの「若さ」と「美しき声」

 午前9時20分。出発時刻の10分前から乗車案内が始まる。全員が席につき、いざ出発という段階になって、1人の乗客が言う。

 「そうだ、ジュース買ってから行こうかしら」

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曲沼美恵[ライター]

1970年生まれ。大学卒業後、日本経済新聞社に入社。2002年からフリーに。近年はビジネス誌やウェブサイトで、ルポルタージュやインタビュー、コラム等を執筆。近著に『メディア・モンスター:誰が黒川紀章を殺したのか?』(草思社)がある。仕事に関する情報はブログでも紹介中。「ニュース」より「人」に興味あり。

 


絶滅危惧種なお仕事ガイド

「もう食えないかも」「このままだと絶滅」と言われる産業に従事する人々のなかにも、実は意外にしぶとく生きている人たちがいる。日本一でもなく、世界一でもない、「最後の下駄屋になること」を目指して働く職業や人々を追いかけ、「崖っぷちの中に見える希望」を探る。

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