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献魂逸滴 極上の日本酒を求めて

“吟醸酒を燗で飲む”という様式美が
健康志向のマインドをつかむか

柳 紀久夫
【第17回】 2010年10月29日
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 10月19日に開催された日本吟醸酒協会主催のイベント「平成22年秋の吟醸酒を味わう会」へ、かれこれ10年ぶりに足を運んだ。

 日本吟醸酒協会は、1980年代に商品化が始まった「吟醸酒」の普及・拡大を目指し、全国各地の酒造メーカー42社が1981年に創立した業界団体。2000年には82あった加盟蔵の数はやがて減少トレンドとなり、現在は53(2010年10月時点)に。

 かつては立食形式で1600人が収容可能な赤坂プリンスホテル(現グランドプリンスホテル赤坂)新館2階「クリスタルパレス」(1320平方メートル)を会場に、一般の部だけでも入れ替わり立ち替わり2000人近い入場者で賑った業界最大級のイベントだった。

 現在は、会場をホテルメトロポリタン エドモント(千代田区飯田橋)に移し、2階の2ホール(「悠久の間」「万里の間」を合わせると680平方メートル)を使用して春と秋に開催している。

一部で変化が見られたものの
会の体勢はほとんど変わらず

北海道・東北・関東・信越1エリアの酒蔵26ブースと燗酒コーナーが設けられていた「悠久の間」。それにしても18:00開宴~20:00終宴というタイムスケジュールは「顧客は誰か」をまったく考えていない。せめて18:30開宴~21:00終宴にならないものか。たとえば、年2回必ず送られてくる案内ハガキをやめるなどして、少しでもコスト削減に努めてほしい。

 出展する蔵元のなかには「田酒(でんしゅ)」でおなじみの西田酒造店(青森市)をはじめ、「開運」で知られる土井酒造場(静岡県掛川市)、「蓬莱泉(ほうらいせん)」を醸す関谷醸造(愛知県設楽町)など、正統派日本酒ファンにとってはたまらない錚々たる顔ぶれが並ぶ。だからといって、特定の蔵に人が集中して酒が早々になくなってしまうということはない。

 ただ唯一の例外が、協会9号酵母発祥の酒蔵・熊本県酒造研究所(この名称でも民間企業)が醸す「香露(こうろ)」大吟醸を求める行列だろう。この光景は10年前と変わらなかった。

 ゲストを招いての講演やタレント出演、抽選会といった特別な催しがあるわけでなく、参加者は各自ブースに足を運んで普段はなかなか飲めないハイスペックの吟醸酒を注いでもらい、淡々と味と香りを楽しむという流れは十年一日のごとし、である。

 入場料は5000円(2007年秋から1000円値上がりした)。ただし、お土産に大吟醸(720m/化粧箱入り)が付くという太っ腹は変わっていなかった。ちなみに今回、僕がもらったのは「琵琶の長寿」大吟醸(市価2905円相当)であった。

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柳 紀久夫

1956年、東京・神田に生まれる。元「週刊ダイヤモンド」編集委員。大学在学中に日本酒に開眼。以来、酒屋放浪では飽き足らず、日本酒を媒介にしたネットワーク作りや日本酒イベントの発起、取材に便乗しての全国地酒探訪に注力。週末はひたすら極上の日本酒を求めて各地の酒販店・酒蔵を巡る。


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