「徹夜の翌日」をサラリと乗り切る4つのルール徹夜は戦略的に乗り切ろう


 【徹夜のダメージを最小化する4つのステップ】

(1)徹夜を決めた瞬間に翌日の予定を変更し、午前中を単純作業に充てる

(2)徹夜中に15~20分程度の仮眠をとる

(3)翌日、午前中の単純作業を終えたら、昼休みに仮眠をとる

(4)できる限り早めに仕事を終え、その夜は十分な睡眠をとる


 徹夜明けは、ほぼ確実にパフォーマンスが下がります。そうであるならば、「今日は徹夜になる」と覚悟した瞬間に間髪入れず翌日の予定を切り替えるのです。ここで割り切れず、思考力や記憶力や集中力が問われる業務を徹夜明けに組み込むと、徹夜のダメージはどんどん長引いていくことになり、パフォーマンスも上がりません。

 そこで、あなたの仕事の中でもっとも頭を使わず、パフォーマンスを要求されない単純作業を、徹夜明けにスケジューリングしておくのがいいでしょう。

20分の仮眠で一晩乗り切れる

 また、徹夜中にできる限り、15分から20分程度で構わないので、仮眠をとってください。脳が休まるのは「深い眠り」のときです。わずかでも深い眠りに達すれば、脳は休まります(深い眠りについては第5回「仕事の集中力がアップする「最強の昼寝」のルール」をご参照ください)。

 しかし、その時絶対にベッドで横になってはいけません。ベッドに入ると、疲れもピークに来ているため、体は本格的に眠ってよいと判断します。ほぼ間違いなく起きられないでしょう。学生時代の試験勉強などで、徹夜中に少しだけ仮眠しようとベッドに横になり、結局朝まで眠って後悔した人もいるのではないでしょうか。

 背もたれを倒せるタイプの椅子などで、体を少し倒して、斜めの状態で眠るといいでしょう。そのような椅子がなければ、机の上に突っ伏して寝るのでも構いません。いずれにせよ、本格的に寝る姿勢は避けてください。

 そして徹夜翌日は、午前中の単純作業を終えたあと、昼休み中に少しでも仮眠の時間を確保してください。これは、第5回で紹介した午後のパフォーマンスを上げるための「昼寝」ではありません。なんとかギリギリのパフォーマンスを保って午後を乗り切るための「燃料補給」です。

 午後は、忙しくても思い切って早めに仕事を切り上げ、夜は十分な睡眠時間を確保してください。徹夜の「睡眠負債」は、翌日の夜に完済するのが鉄則です。

 なお、この4つのステップは、あくまで徹夜が避けられない時の緊急策ですので、決して多用しないようにしてください。