ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
inside

「貴金属」が輸出第1位に
トルコ経済“変貌”の真相

週刊ダイヤモンド編集部
2009年6月30日
著者・コラム紹介バックナンバー

 トルコの2009年第1四半期(1~3月)の貿易統計に、関係者が首を傾げている。品目別輸出額で、貴金属が1位になったのだ。04年から08年末まで輸出の首位は自動車および同部品であり、08年通年では貴金属は8位にすぎなかった。貴金属輸出の内訳は、ほとんど「金」で、スイス向けが66%を占める(数量ベース)。これにより、輸出相手国第1位も、ドイツからスイスとなった。

 背景には、まず輸出全体の低迷がある。主要輸出先である欧州の景気後退の影響が直撃し、自動車および同部品は前年同期比54%減。他の輸出品目も軒並み20~30%の減だ。そのなかで、貴金属だけが49%もの増となった。「トルコはもともと金製品の世界的加工基地の一つであり、金現物の輸入が活発だが、昨年末以降の金価格上昇で一般投資家などの売り戻しが起きた」(池水雄一・スタンダードバンク東京支店支店長)結果と見られる。

 一方で貿易収支赤字は急減し、長らくトルコ経済の問題とされてきた経常収支赤字は前年同期比91%もの縮小となった。もっともこれは、内需低迷で輸出以上に輸入が減少した結果で、構造的な問題が解決したわけではない。

 IMF(国際通貨基金)による09年の実質経済成長率予測は▲5.1%。「各種指標は底打ちしているものの、本格的な回復は輸出主導でしかありえないため、12年頃までは低成長が続くだろう」(田村喜彦・日本格付研究所チーフアナリスト)。政府とIMFのあいだで続く融資交渉も、財政出動の是非をめぐって意見が折り合わず、いまだ結論が出ていない。

 市中の金が売りに回る構図は、日本を含む他国でもあるが、貿易統計の順位が入れ替わるほどではない。トルコの金流出は、経済の苦境を顕著に示しているのである。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 河野拓郎)

今週の週刊ダイヤモンド

2017年1月21日号 定価710円(税込)

特集 天才・奇才のつくり方 お受験・英才教育の真実

お受験・英才教育の真実

【特集2】
村田 vs TDK
真逆のスマホ戦略の成否

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購読いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

週刊ダイヤモンド編集部


inside

産業界・企業を取り巻くニュースの深層を掘り下げて独自取材。『週刊ダイヤモンド』の機動力を活かした的確でホットな情報が満載。

「inside」

⇒バックナンバー一覧