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SEALDs解散、学生たちが活動で遺したものとは?

降旗 学 [ノンフィクションライター]
【第173回】 2016年8月20日
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 終戦記念日にあたる八月一五日、SEALDsという学生組織が一部の人に惜しまれつつ解散した。彼らは、“一部の人たち”からは熱烈に支持されたが、他方では哄笑も浴びせられた学生組織だった。

 彼らのやることなすことは、私には全てが中途半端に映った。学生さんだからと言ってしまえばそれまでだが、彼らからは、およそ大学生らしい知性というものが感じられなかった。その典型が、SEALDs中心メンバーの“なぜ国民全員が安倍首相のわがままにつき合わなければならないんでしょうか”といった発言だった。また、SEALDs主催のデモに参加した学生のスピーチも頓珍漢なものが目立った。

 〈もし本当に中国や韓国が攻めてくるというのなら、僕が九州の玄関で、とことん話して、酒を飲んで、遊んで、食い止めます〉

 こんな寝言を本気で言っていたのであれば、SEALDsも、そのデモに集う学生の正体も道化師集団以外の何ものでもない。最高学府(=大学のこと。東大を指す言葉と勘違いしている人が多い)に学ぶ学生が口にするには、あまりにもお粗末ではないか。

 法制や憲法はもとより、この程度のレベルで外交や防衛を語ろうとするから“安保法制で徴兵制が始まる”などという妄想妄言に取り憑かれる。

 SEALDsのさきがけは“SASPL(サスプル:特定秘密保護法に反対する学生有志の会)”という組織だったようだ。

 〈SASPLは、特定秘密保護法が施行される一四年一二月までに三度のデモを行なって解散したが、翌一五年五月にシールズとして生まれ変わり、デモを続けた〉

 最初は特定秘密保護法に反対する学生集団。次いで安全保障関連法案に反対する集団に変貌し、さらに共産党+他の野党と組んで選挙活動を展開したかと思えば、何故か沖縄で米軍基地の辺野古移設に反対する市民集会に参加し、元軍属に殺害された被害者女性とは一面識もなかったのにSEALDsメンバーが弔辞を読んだりもした。

 活動範囲が広がったというよりは、節操がなかった。SEALDs諸君は声高に“民主主義だ”“立憲主義”だと叫んでいるのだが、SEALDsや彼らの主張に賛同する学生さんらが何をやろうとし何をやりたかったのかは伝わってこないのである。

 ネットなどのメディアを通じて伝わってくるのは、法案に抗議するためハンストを断行した学生らがいたのはいいが、ハンストタイムは午前から夕方までで夜間は帰宅とかハンストなのに水分補給を欠かさないとか食事は摂らないがお菓子を食べているといった滑稽な内容だったりした。

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降旗 学[ノンフィクションライター]

ふりはた・まなぶ/1964年、新潟県生まれ。'87年、神奈川大学法学部卒。英国アストン大学留学。'96年、小学館ノンフィクション大賞・優秀賞を受賞。主な著書に『残酷な楽園』(小学館)、『敵手』(講談社)、『世界は仕事で満ちている』(日経BP社)他。


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