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岸博幸のクリエイティブ国富論

自民党は失敗、民主党はイマイチ
マーケティング視点で解散後会見を採点!

岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]
【第49回】 2009年7月24日
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 皆さん、申し訳ありません。今回も本論であるメディア論はお休みにさせていただき、政治関連のテーマを扱います。

 その理由は、21日の衆議院解散後の麻生総理の記者会見には考えさせられる点が多かったからです。

政治でもマーケティングは重要

 今や当たり前のことですが、政治、特に選挙ではマーケティングの考え方が非常に重要です。だからこそ、米国では、選挙に際してマーケティングのプロフェッショナルのチームを活用することが当たり前となっています。オバマが大統領選でインターネットをうまく活用したというのも、マーケティングのツールとしてネットを最適な形で使いこなしたと整理することが出来ます。

 翻って日本の選挙を見ると、ネット選挙が認められていないだけでなく、マーケティングの知識や手法の導入という観点でも、非常に遅れています。私は、竹中平蔵氏が参院選に立候補したときに選挙参謀を務め、郵政選挙のときに自民党本部で選挙戦略のお手伝いをしたのですが、すごく驚きました。自民党の選挙対応は伝統的に個々人の長年の経験などに依存した場当たり的なもので、マーケティングの観点すらなかったからです。

 そこで郵政選挙の際は、当時の武部幹事長の下にチームが組織されて戦略が練られました。きっと自民党は今はもっと進化しているのでしょう。それでも、21日の衆議院解散後の麻生総理の記者会見を見て、うーんと唸ってしまう点がたくさんありました。

ブランディングの失敗

 衆議院解散後の記者会見というのは、選挙に向けた第一歩で、マーケティング的には非常に重要な位置づけを持つはずです。自民党という企業が日本全国で数百の候補者という新商品を出して40日間のマーケット・キャンペーンを展開する、まさに第一歩だからです。そう考えると、今回の選挙を「安心社会実現選挙」と命名したのは、疑問に感じざるを得ません。

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岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]

1986年通商産業省(現経済産業省)入省。1992年コロンビア大学ビジネススクールでMBAを取得後、通産省に復職。内閣官房IT担当室などを経て竹中平蔵大臣の秘書官に就任。不良債権処理、郵政民営化、通信・放送改革など構造改革の立案・実行に関わる。2004年から慶応大学助教授を兼任。2006年、経産省退職。2007年から現職。現在はエイベックス・マーケティング株式会社取締役、エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社顧問も務める。

 


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