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成毛眞・おくだ健太郎のビジネスマンよ歌舞伎を学べ

暑い夏の歌舞伎は「ケレンみ」溢れるエンタメ性が見どころ!

成毛眞・おくだ健太郎
【第5回】 2016年8月27日
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かつて、暑い夏は歌舞伎のシーズンオフだった。とはいえ、だからこそ観客を楽しませる工夫や仕掛けが考え出された

暑い夏ゆえに考え出された
仕掛けもの「外連(ケレン)」

成毛 あまり言いたくありませんが、暑いですね。

おくだ まったくそうですね。 

なるけ・まこと
1955年北海道生まれ。中央大学商学部卒。マイクロソフト日本法人社長を経て、投資コンサルティング会社インスパイア取締役ファウンダー。書評サイト「HONZ」代表。『本棚にもルールがある』(ダイヤモンド社)『ビジネスマンへの歌舞伎案内』(NHK出版)『教養は「事典」で磨け』(光文社)など著書多数。
Photo by Kazutoshi Sumitomo

 成毛 とはいえ、夏ならではの怪談ものがかかることも多く、楽しみな季節でもあります。本水(ほんみず)を使ったものもありますね。本水とはつまり、水。ただし、使う量が尋常ではありません。イメージとしては、舞台の上にプールを設置するようなものですよね。役者さんはそれにどっぷり浸かりますし、水はさばざば溢れます。おそらくトン単位で水を使っているでしょう。オペラでは決して見られない光景です。

おくだ 歌舞伎はいろいろとやりやすいんですね。本水を使うように、仕掛けものが多いことをケレンといいます。漢字で書くと外連です。今、「外連みがない」という言葉は褒め言葉になっていますが、外連とはトリッキーなことをやって人目を引くという意味で、歌舞伎では長い間、格下として扱われてきました。この外連と夏休みに、実は関係があるのです。

成毛 外連には空中にワイヤーを張る宙乗り(ちゅうのり)や衣装の早替わり(はやがわり)も含まれますが、でも、なぜ格下なんですか。

おくだ前回も言ったように歌舞伎のシーズンオフは夏。とはいえ、江戸時代の芝居小屋の小屋主は、夏の間、小屋を遊ばせておくのはもったいないと思い、普段なら脇役の若手の役者を主役に据えてでも、公演をしたいと考えます。ただ、暑いのは確かですから、見る方も根を詰めて重い芝居を見たくはないし、芸が未熟な若手が重い芝居をするのも無理があります。若い役者にはアクロバティックには身体を張ってもらい、それにふさわしい演出を取り入れようと考え出されたのが、しかけを使った目に楽しい、まさに外連み溢れる芝居なんです。今の歌舞伎座が8月は3部制をとり、エンタメ性の強い演目を揃えているのは、江戸時代の夏芝居を現代に受け継いでいるからと言えます。

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HONZ代表の成毛眞氏が、イヤホンガイドで定評のある歌舞伎ソムリエおくだ健太郎氏に歌舞伎の楽しみ方を聞く連載対談。多忙なビジネスマンでも、年に1回は歌舞伎座に足を運ぶことで得られるメリットは何か、歌舞伎をビジネスに応用する方法、代々続き三歳でデビューする歌舞伎役者の魅力とは、観劇後の銀座・築地での食事などなど、多角的に話題を提供する。

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